酒造りの思い映画に...「つなぐひと」 震災後の仁井田本家撮影
5月から東京・六本木で開かれるアジア最大級の国際短編映画祭のノンフィクションプログラムで、米国在住の写真家・映像作家椎木(しいき)透子さんが監督し、仁井田本家(郡山市)の仁井田穏彦社長が東日本大震災後に酒造りに向き合う姿を描いた短編映画「つなぐひと」が上映作品に選ばれた。
映画祭の名称は「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)2019」。世界120以上の国と地域から応募のあった約1万本の中から選ばれた約200作品を上映する。グランプリ作品は米アカデミー賞短編部門のノミネート選考対象となる。
椎木さんの作品は仁井田本家の酒造りを追いながら、創業300年の節目の年に被災した仁井田社長の酒造りへの思いを描いた。作品は、映画祭での上映が日本での初公開。これまで2月にスコットランドの日本領事館で上映、米国でも11月の上映が決まっている。
監督の椎木さんは千葉県出身で、東日本大震災後、本県のドキュメンタリー映画などの撮影をしている。「震災後、福島で生きていくと決めた人たちの思いの片りんを伝えたいと思い撮影に臨んだ。福島のことをあまり知らなかった人にも見てもらいたい」とコメントした。仁井田社長は「福島の現状をいい方向に捉えてもらうきっかけになれば」と話した。
映画祭は5月29日~6月16日に開かれる。同作品は都内3カ所で、6月2、7、14日の3日間上映。詳しくは映画祭の公式サイトへ。
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