曙酒造が評価員特別賞 福島県受賞数最多の18、東北清酒鑑評会

 
評価員特別賞受賞を喜ぶ鈴木代表社員

 仙台国税局は6日、2019年の東北清酒鑑評会の結果を発表し、吟醸酒の部で曙酒造(会津坂下町)が最上位に次ぐ評価員特別賞を受けた。

 純米酒の部と併せて、優等賞以上を受賞した福島県の酒蔵数は18で、秋田と並んで最多だった。一方、本県酒蔵の最優秀賞受賞記録は13年から昨年までの6年連続で途絶えた。

 東北6県から吟醸酒の部に139酒蔵229点、純米酒の部に127酒蔵161点が出品された。このうち本県からは吟醸酒の部に36酒蔵57点、純米酒の部に29酒蔵34点が出品された。

 10月に外国人2人を含む専門家約40人によって審査が行われた。

 表彰は優秀な酒を出品した酒蔵を「優等賞」に選び、その中から最も優秀な1酒蔵を「最優秀賞」、それに次ぐ2酒蔵を「評価員特別賞」としている。

 本県からは吟醸酒の部で13酒蔵、純米酒の部で10酒蔵が優等賞以上を受賞した。

 曙酒造に対し外国人専門家は「コメの豊かな風味が全体を包み、素晴らしい調和」「柔らかな酸味と優しい甘みが調和し、すっきりとしたキレ」などとコメントした。両部門の上位3酒蔵は国税庁ホームページで日本語と英語で広報される。

 同日、仙台市で表彰式が行われた。

◆「管理面も評価、うれしい」、曙酒造・鈴木代表社員

 吟醸酒の部で評価員特別賞を受賞した曙酒造(会津坂下町)の鈴木孝市代表社員(35)は「受賞は驚き。素直に喜びたい」と笑顔を見せた。

 同部門で同賞受賞は初めて。東北清酒鑑評会では昨年度に仕込んだ酒が評価されるため、酒の品質保持も重要なポイントになる。鈴木さんは「さまざまな季節を経ても酒の質が変わらなかったということ。管理面も評価されたことがうれしい」と話す。

 また、「日々小さいことを積み重ね、日本酒を飲んでいただく方においしい、うれしい酒をお届けしたい」と一層の精進を誓った。