福島県新酒米は「福乃香」 芳醇・淡麗・旨口を追求、来春に新酒

 
品種名が「福乃香」に決まった本県の新たなオリジナル酒造好適米

 福島県の新たなオリジナル酒造好適米「福島酒50号」の品種名が「福乃香(ふくのか)」に決まった。

 今冬の仕込みでは県内24蔵元が取り扱う。県は来春に新酒のお披露目イベントを開くほか、東京五輪・パラリンピックの歓迎式典で提供したい考え。

 内堀雅雄知事が23日、定例記者会見で発表した。福乃香は「芳醇(ほうじゅん)・淡麗・旨口(うまくち)」といわれる県産酒を追求した酒造好適米。香り高い日本酒となるコメの特性を表し、消費者や蔵元、生産者ら全ての人に福が訪れるようにとの願いが込められているという。

 県は5月に福島酒50号を奨励品種に採用し、6~7月に品種名の公募を実施。県内外から1243点の応募があり、県酒造組合の意見を踏まえ、東京都の室市剛人さんが提案した福乃香に決定した。現在、品種登録出願中となっている。

 県産酒は全国新酒鑑評会の金賞銘柄数で7年連続日本一となっているが、鑑評会出品用の約8割は兵庫県産「山田錦」が使われる。

 山田錦は寒冷地での栽培が難しく、県内ではごく一部の農家しか作付けしていない。
 2000年に開発された本県オリジナル酒造好適米「夢の香」も芯にある心白まで削ると割れやすい傾向があり、酒蔵関係者からは大吟醸酒に向く新品種の開発を求める声が高まっていた。