県産酒の魅力発信 顧客開拓へ東京に新会社、金水晶酒造店専務

 
県産日本酒の新たな魅力を発信する「蝋燭屋」が運営するリカーショップと2階のバー

 福島市の金水晶酒造店で専務を務める斎藤湧生さん(26)が、オリジナル日本酒の開発・販売やバー運営、データ分析などを手掛ける新会社「蝋燭(ろうそく)屋」(東京都渋谷区)を設立した。斎藤さんは「日本酒の新規顧客を開拓し、福島のより大きな発展に貢献したい」と意気込む。

 新会社は、日本酒や店舗のデザインや雰囲気にこだわり、新たな視点から県産日本酒の魅力を発信しようと設立。「蝋燭屋」は金水晶酒造店が江戸時代に旅籠(はたご)を営んでいた当時の屋号で、「心の一隅を照らすようなお酒を提供したい」という思いを込めた。

 オリジナル日本酒をさまざまな酒造会社やブランドと協力して開発する予定で、第1弾として金水晶酒造店とコラボした純米大吟醸「Gold Crystal」(720ミリリットル6600円)などを販売した。

 いずれも海外産ワインのようなおしゃれなラベルを採用し、3月までに計5種類を発売予定という。また都内で運営するバーではオリジナル日本酒などを使ったカクテルを提供、日本酒の新たな可能性を提示している。

 併せて展開するデータ分析事業は、同社専務に就任した慶応大FinTEKセンター研究員の中北誠さんらが最新の知見を駆使して企業や団体にビジネスなどの改善点を提案する。

 すでに福島市観光コンベンション協会、慶大経済学部の星野崇宏教授と協力し、観光ツアー参加者の反応などを分析。結果は東京五輪や朝ドラ「エール」の放送を見据えた今後の企画に生かされる。斎藤さんは「将来的には、日本酒に関するデータコンサルティングにも取り組みたい」と抱負を語る。

 蝋燭屋はショップとバーが併設で住所は東京都渋谷区恵比寿1の23の10、LcubeEbisu。問い合わせは(電話03・6450・3607)へ。