台風被害乗り越え...新酒「歸宴」完成 川内の純米吟醸酒

 
販売が始まった歸宴の新酒

 川内村産の酒造好適米「夢の香」100%で仕込んだ純米吟醸酒「歸宴(かえるのうたげ)」の新酒が完成し、村内の商店などで販売が始まった。15日は村コミュニティセンターで新酒披露会が開かれた。

 NPO法人元気になろう福島(福島市)や村、大和川酒造店(喜多方市)、福島大の学生らで取り組んでいる日本酒造りプロジェクトで、今年で3年目。昨年の台風19号の影響で酒米が水没し、収量は予定していた3分の1にとどまったが、生酒と火入れの2種類計約1500本を生産できる見通し。同NPOの本田紀生理事長は「苦難もあったが、今年もおいしい酒ができた」と太鼓判を押す。価格は生酒と火入れ各720ミリリットル入りで、いずれも1760円(税込み)。火入れは4月上旬ごろからの販売となる。

 会では、遠藤雄幸村長や住民が村特産のイワナの塩焼きなどと一緒に味わい、新酒に舌鼓を打った。席上、村民の有志が、歸宴や村産ワインなどを軸ににぎわい創出につなげる「かわうち酒宴(さかもり)の会」を設立する方針を示した。歸宴は村内の商店など7店で取り扱っている。問い合わせは村産業振興課へ。