新型コロナ対策!消毒液代用に「高度数酒」 花春酒造が発売へ

 
社員と打ち合わせをする佐藤専務

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、花春酒造(会津若松市)は、消毒液の代わりになるアルコール度数の高い酒を製造し、28日に発売する。同社の新商品は通常、企画から販売まで約3カ月かかるが「感染拡大が懸念される大型連休に間に合うように」と開発を急いだ。

 商品名は「花春スピリッツアルコール66%」で、360ミリリットル1045円。県内外に出荷するほか、インターネット販売も行う。発売日までに1万5千本を用意できる見込みで、追加注文にも応じる。

 消毒液の不足を受け、全国各地の酒蔵が代用品としてアルコール度数の高い酒を開発していることを報道で知り、13日に計画をスタートした。

 開発に当たっては、消防署や税務署などに法制度を確認。消防署から、アルコール度数が一定以上になると消防法上の危険物として扱われ、保管する工場の改修が必要になるとの指摘があり、アルコール度数を66%に決めた。税務署には、スピリッツとして販売するには2%以下の添加物が必要との指導を受けたため、醸造アルコールにレモンの香料を加えた。

 同社の佐藤清専務(73)は「困っている人を救い、地域貢献したい一心で開発した。不安解消に役立てばうれしい」と話している。