日本酒「楢葉の風」3年目の販売 町産コメ使用、復興と絆維持

 
販売が始まった楢葉の風

 楢葉町産のコメを使い、会津美里町の酒蔵で仕込んだ日本酒「楢葉の風」の販売が21日、始まった。楢葉町と町商工会などが風評の払拭(ふっしょく)に向けて企画し、今年で3年目。

 町で生産された酒造好適米「夢の香」を使い、姉妹都市の会津美里町の白井酒造店が純米大吟醸酒、特別純米酒、うすにごり生酒など5種類を醸造した。今年の出荷本数は1.8リットル換算で2400本。

 同日は楢葉町のサイクリングターミナルで完成報告会が開かれた。松本幸英町長が「避難で散り散りとなった住民が酒を酌み交わしながら絆を維持することを願って仕込んだのが始まり。今年は新型コロナウイルスに打ち勝つことを願いながら味わってほしい」とあいさつした。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、報告会の出席者は例年の約5分の1となる約10人。

 楢葉の風は、町内の同ターミナルやJヴィレッジ、道の駅ならは、ブイチェーンネモトで販売。富岡町のJR富岡駅の売店や福島市のコラッセふくしま、東京都の日本橋ふくしま館ミデッテなどでも取り扱う。純米大吟醸酒の価格は1.8リットル入りが4180円(税込み)、720ミリリットル入りが2090円(同)。