蔵元に恩返し!日本酒テークアウト 若松の飲食店に支援の動き
会津若松市の飲食店で、アルコール類のテークアウトが可能になる「期限付き酒類小売業免許」を取得する動きが広がりつつある。全国新酒鑑評会の金賞を選ぶ決審が中止となる中、関係者は「飲食店に動きがなくなれば蔵元が厳しくなる。こういうときだからこそ応援したい」と意気込む。
出荷量減少など、今後の日本酒造りに向け苦境が続く本県の酒造業界を盛り上げようという新たな試み。飲食店が店内で提供するアルコール類を持ち帰り用として販売するには、酒類小売業免許が必要になる。新型コロナウイルスの感染拡大で飲食業が打撃を受けていることから、国税庁は一般の酒類小売業免許とは別に、6カ月間有効な期限付き酒類小売業免許を、簡素化した手続きで取得できるようにした。
同市の日本酒バー「我流」は、4月23日に免許を取得。店主の大友泰孝さん(42)は「生酒など鮮度が大切な酒もある。お客さんが激減する中、蔵元が一生懸命造ったものをいい状態で届けたかった」と思いを語る。会津地方の29蔵元を中心に約50銘柄をそろえ、全銘柄を180ミリリットル入りの小瓶で販売。価格は千円に統一した。サメの軟骨を梅肉であえたおつまみ「梅水晶」もテークアウトできる。
同市の「酒場時遊人」では、15銘柄程度を持ち帰りできるようにした。いずれも300ミリリットル入りで、価格は700~1280円。鶏の唐揚げなど豊富なメニューも用意。
店主の斎藤考志さん(34)は「お世話になってきた会津の酒蔵に、恩返ししたい」と意気込む。
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