磐栄運送、全国新酒鑑評会「初入賞」 挑戦実る!御湖鶴で復活

 
「日本、世界にファンを増やしたい」と話す村田会長

 磐栄運送(いわき市)の諏訪御湖鶴(みこつる)酒造場(長野県下諏訪町)が醸造する「御湖鶴純米大吟醸」が本年度の全国新酒鑑評会で入賞した。同社の村田裕之会長(60)は「重みのある鑑評会で入賞できてうれしい。満足せずに、さらに挑戦を続けたい」と話す。

 同社は、2017(平成29)年に破産した長野県下諏訪町にある酒蔵の設備などを買い取り「御湖鶴」を復活させ、会津産の酒米「五百万石」や、同県産の酒米「美山錦」などを使って酒造りを行っている。昨年12月には新しい蔵に建て替え、機械なども一新して醸造を開始。同社の造る酒として、初入賞を果たした。

 今回の入賞酒は兵庫県産の「山田錦」を使用した。蔵の建て替えがあったために手探りでの作業だったが、品質の良い酒に仕上がった。

 10年の酒造りで初入賞という杜氏(とうじ)の竹内重彦さん(48)は「今後も酒質向上に取り組みたい。高い品質の酒を造る力をつけ、福島の酒蔵と競い合えるようにしていきたい」と今後の目標を話した。

 「福島県の酒と競わないといけないので複雑なところもあるが、福島県と長野県の酒の橋渡しになってほしい」と村田会長。「運送業社の造る酒として日本や世界のファンを増やしていきたい」と力強く語る。

 御湖鶴は、スーパー「一二三屋」各店、白河市のいせや君島商店で販売されている。入賞酒は7月上旬の発売を目標に準備が進んでいる。