日本酒造りに『新風』...女性の感覚を 花春に2人の女性取締役

 
「連携を密にして喜んでもらえるお酒を造りたい」と意気込む政元さん(右)と柏木さん(左)。中央は新井田社長

 花春酒造(会津若松市)は7月1日から、女性2人を取締役に起用する。女性の感覚を経営に生かすことが期待されており、新井田傳社長は「2人の連携でお客さまが求める日本酒を造る。古い慣習を打ち破り、業界全体にプラスの影響をもたらしてほしい」とエールを送る。

 取締役広域営業推進部長・商品開発企画部長・海外事業推進部長となる政元亮子さん(48)と、取締役製造部長・杜氏(とうじ)・商品開発部長に就く柏木純子さん(50)の2人。新井田社長と佐藤清専務は2人について「"新生"花春酒造が見つけた一点の灯明」「欠かすことができない逸材」と表現する。

 花春酒造は創業300年の老舗酒蔵だが、2016(平成28)年9月に酒造事業を譲渡、幸楽苑ホールディングス会長の新井田氏が社長を務めている。事業譲渡後、増収増益の決算を続けてきたが、本年度の決算は新型コロナウイルス感染症の影響で減収となり、業界全体の衰退基調も加わり、苦戦を強いられている。

 2人は営業部門と製造部門でそれぞれ活躍してきた。政元さんは首都圏での営業を一手に引き受け、首都圏や北海道での販路拡大に貢献した。柏木さんは事業譲渡前に退職したものの、18年に復帰し、旧花春酒造時代から知られる「花春の顔」だ。

 今後は、政元さんが取引先や消費者から寄せられる「こんな酒が飲みたい」というリクエストを柏木さんに伝え、柏木さんが要望を取り入れながら新しい日本酒造りに挑戦するという。

 会津産米「まいひめ」を50%まで磨き、低価格に抑えた純米大吟醸酒「結芽(ゆめ)の奏―YUMEnoKANADE」は、2人の協力で誕生したシンボル的な銘柄。日本酒を飲み慣れていない若者や女性にも好評という。

 花春酒造は今年の全国新酒鑑評会で7年ぶりに入賞したばかり。

 政元さんは「『こういうお酒を造ってほしい』という希望を出し、望まれる日本酒を造っていきたい」と話し、柏木さんは「どういう日本酒が市場で飲まれているかの情報収集は大事。連携を密にしていきたい」と意気込む。