「大天狗酒造」酒蔵改装!新たにイベントスペース 本宮の蔵元

 
新設されたイベントスペースで来場者と話す小針さん(手前左)

 昨年の東日本台風(台風19号)で被災した本宮市唯一の蔵元「大天狗酒造」の酒蔵の改装が完了した。酒蔵には新たに、試飲会や交流ができるイベントスペースが設けられ、3日にお披露目会が開かれた。杜氏(とうじ)の小針沙織さんは「水害から1年、たくさんの人に支えられた。地域に親しんでもらえる酒蔵にしていきたい」と話した。

 1872(明治5)年創業の大天狗酒造は、台風で1階が約60センチ浸水し、ボイラーや瓶詰め機が壊れた。

 小針さんは老朽化していた酒蔵の改修を進めるとともに、地域のにぎわい創出に向けて酒蔵の一部をイベントスペースに改装しようと、インターネットで小口資金を募るクラウドファンディングを企画。437人が協力を申し出て、目標300万円の2倍を超える600万円以上が集まった。

 酒蔵では瓶詰め機の入れ替えや敷地のアスファルト舗装が進められ、以前よりも酒造りの環境が整った。イベントスペースは、酒造りの様子が見えるように酒蔵側に窓が設けられるなど、来店者が楽しめるように仕上がった。

 お披露目会では、地域住民や同酒造のファンら多くの人が訪れ、利き酒などを楽しんだ。来店者と触れ合った小針さんは「存続の危機から復旧が進み、感慨深い。感謝の思いを忘れずに今月末から始まる酒造りも頑張りたい」と話した。

 同酒造では、酒蔵見学を随時受け付けている。問い合わせは同酒造(電話0243・33・2017)へ。