「宇宙酒」計画!福島県20蔵元参加へ 21年秋以降帰還酵母醸造

一般財団法人ワンアース(茨城県)が本県オリジナル酵母「うつくしま夢酵母」を宇宙に打ち上げ、来秋以降に「宇宙酒」を醸造する計画に、少なくとも県内の約20蔵元が参加する見通しとなった。ワンアースの長谷川洋一代表理事、県酒造組合の有賀義裕会長らが17日、県庁で内堀雅雄知事に説明した。内堀知事は「希望に満ちた素晴らしい事業だ」と太鼓判を押した。
計画は東日本大震災から10年の節目に国際宇宙ステーション(ISS)から被災地の復興の姿を伝える事業「東北復興宇宙ミッション」の一環。来年5月に打ち上げる酵母が帰還した後、培養を経て県内の蔵元に配布し、醸造してもらう予定だ。
有賀氏は、参加蔵元は今後さらに増えるとの見通しを示した上で「新たな販路の開拓が期待できる。少し飲めば、無重力みたいにフワッとなれるような酒にしたい」と笑顔だった。会談後には「来年12月ごろには宇宙酒が完成していると思う」とも展望した。
酵母の打ち上げに先立つ来年2月には、被災3県から集めた写真を川俣シルク(縦1メートル、横7メートル)製の横断幕に印刷して打ち上げ、ISSの日本実験棟「きぼう」に展示する。併せて募集した復興支援に対する感謝のメッセージを宇宙飛行士の野口聡一さんが読み上げ、撮影した動画を3月11日に公開する。
長谷川氏は「今後10年の東北の復興に寄与する事業にしたい」と述べ、内堀知事は「大切なことは希望を持つこと。コロナ禍で日本が縮む中、東北の元気と今後も頑張っていく姿を発信できる」と期待を寄せた。
ワンアースの甚野源次郎顧問、全農県本部の宍戸藤市副本部長、伊藤達也県議が同行した。
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