純米酒で佐藤酒造店3位、吟醸酒は国権酒造5位 南部杜氏鑑評会

 

 南部杜氏(とうじ)協会(岩手県花巻市)は20日、2020酒造年度(20年7月~21年6月)の日本酒の出来栄えを競う南部杜氏自醸清酒鑑評会の審査結果を発表した。本県からは純米酒の部で佐藤酒造店(郡山市)の「藤乃井」が3位、吟醸酒の部で国権酒造(南会津町)の「國権」が5位に入った。

 純米酒の部に108製造場の244点、吟醸酒の部に114製造場の256点が出品された。高評価を得た優等酒の中から順位を付けた上位入賞酒が決まった。1位は純米酒の部が桃川(青森県)の「桃川」、吟醸酒の部が浦里酒造店(茨城県)の「霧筑波」だった。

 本県からは優等酒にも純米酒と吟醸酒の両部門でそれぞれ6点が選ばれた。

 鑑評会は1911(明治44)年に始まり、今年で102回目。表彰式は5月25日に花巻市で行われる。

 昨年は新型コロナウイルスの影響で2次、3次の審査と最終審査に当たる決審が中止となり、上位入賞酒の選定がなかった。

 ◆「藤乃井」 守ってきた伝統の味

 純米酒の部で「上位入賞酒」の3位に入り、吟醸酒の部でも優等賞に選ばれた佐藤酒造店(郡山市)の佐藤修子社長(59)は「素直にうれしい」と喜びの表情を見せた。

 昨年1月に、先代の佐藤彦十郎さんが64歳の若さで亡くなってから、ベテラン杜氏(とうじ)の高橋正芳さんをはじめとする従業員が一つになって、伝統の味を守ってきた。

 今回初めて上位入賞したことで、佐藤社長は「『藤乃井』ブランドを広く知ってもらえるきっかけになれば」と望む。新型コロナの影響による売り上げの減少や、2月の本県沖地震での被害など苦難を乗り越え、全国新酒鑑評会での初の金賞受賞を目指す。

 ◆「國権」 団結力と技術力証明

 国権酒造(南会津町)杜氏(とうじ)の佐藤吉宏さん(69)は吟醸酒の部で5位となり「酒造りに誠実に向き合ってきた成果であり、蔵人たちの団結力と技術の高さを証明した」と胸を張った。

 全国新酒鑑評会での12年連続金賞をはじめ、各鑑評会で上位入賞を続けている。酒造りに対する科学的な解析と長年積み上げられてきた独自のノウハウにより、上質な日本酒を生み出している。

 今回の仕込みに使用したコメは硬く、慎重な作業が求められたという。細井信浩社長(49)は「こうじの出来の良さが光った。新型コロナで大変な時期が続くが、福島に少しでも明るい話題を提供できるよう淡々と酒造りに精進したい」と語った。