福島大生らの純米吟醸酒「初酔」完成 成人の祝いを酔いしれて

 
日本酒の完成を喜ぶ広瀬さん(左から3人目)と丹野代表(同4人目)ら

 県内の若者が自身の成人を記念して仕込んだ純米吟醸酒「初酔(ういよい)」が完成した。お披露目会が4日、福島市松川町の水田で開かれ、関係者が完成を祝った。

 人生で初めて飲む日本酒として悪酔いしない良酒を堪能してもらおうと、酒米の生産を手掛ける会社「未来農業」(福島市)が初めてプロジェクトを企画した。昨年度に成人を迎えた福島大や福島学院大の学生ら9人が参加。昨年11月に同社の田んぼで酒造好適米「山田錦」の稲刈りを行い、4月に浪江町の鈴木酒造店で仕込み作業に挑戦していた。

 お披露目会では神事が行われ、関係者が出来上がった日本酒を水田に奉納し、今年の豊穣(ほうじょう)を祈願した。

 この後、オンライン飲み会が開かれ、画面越しで乾杯した。福島大食農学類3年の広瀬辰馬さん(20)は「貴重な経験ができて一生の思い出になった」と振り返った。同社の丹野友幸代表(45)は「日本酒がおいしくても、飲み過ぎには注意してほしい」と笑った。

 初酔と同じく瓶詰めした日本酒は「初祝(ういわい)」の銘柄で今月中に一般発売する。価格は未定で、福島市の酒販店などで取り扱いを予定している。問い合わせは未来農業(電話024・502・4617)へ。