「美酒」育む王国の技、金賞酒飲み比べ 福島県産日本酒8連覇

 
金賞酒の飲み比べコーナーが設けられた県観光物産館では買い求める人が訪れていた=21日、福島市

 全国新酒鑑評会で本県の「8連覇」が決まった21日、県内の日本酒を紹介している福島市の県観光物産館には金賞酒の飲み比べができるコーナーが設けられた。訪れた日本酒ファンらは、福島の偉業を喜びながら多彩な酒の味を楽しんだ。

 「今年のお酒もとてもおいしい」。金賞酒を飲み比べた福島市の会社員久保木光治さん(64)は満面の笑みを浮かべた。「こういう機会じゃないと飲めないお酒も多い。毎年楽しみにしている」。全国新酒鑑評会の結果発表の時期に毎年同館を訪れ、飲み比べを楽しんでいるという。「8連覇は日本酒好きとして喜ばしい。福島の酒は味わいがあって香りもよい」と話した。

 同じく飲み比べに訪れた福島市の会社員島田洋人さん(51)は「福島のお酒が大好きで、よく飲んでいる。どのお酒も味わい深いが、寿々乃井がいちばん好みだ」とうれしそうに語った。

 飲み比べは7月末まで行う予定。2銘柄700円、3銘柄1000円で提供する。問い合わせは同館(電話024・525・4031)へ。

 内堀知事「素晴らしいニュース」

 県が21日に県庁で行った記念パネルの除幕式で、内堀雅雄知事は「コロナウイルス下で暗いニュースが多い中、素晴らしい明るいニュース。皆さんの取り組みは福島の復興や風評払拭(ふっしょく)のトップランナーだ」と県内蔵元の偉業をたたえた。

 県酒造組合の有賀義裕会長のほか、金賞酒17銘柄のうち、13銘柄を製造した蔵元がオンラインで参加した。内堀知事は新型コロナの感染拡大を踏まえ、県産酒の流通、販売促進対策を検討する考えを示した。

 「ふくしまの酒 8回連続日本一」と書かれた記念パネルを内堀知事と共に除幕した有賀会長は「(新型コロナの感染拡大に伴う)飲食店の営業時間短縮要請などで業界は非常に厳しい状況だが、8回連続日本一の達成は『日本酒王国・福島』を改めて発信できる機会になる」と喜んだ。記念パネルは県庁西庁舎2階の県民ホールに展示されている。