金賞蔵、喜びや苦労語る 福島県庁で報告会「さらに良い酒造る」

 
金賞受賞を祝う内堀知事(前列右から3人目)と各蔵の代表者ら

 県は26日、全国新酒鑑評会で金賞に輝いた蔵の報告会を県庁で開いた。25日に続いて実施し、名倉山酒造(会津若松市)榮川酒造磐梯工場(磐梯町)白井酒造店(会津美里町)会津酒造、開当男山酒造(南会津町)東日本酒造協業組合(二本松市)豊国酒造(古殿町)の計7蔵が受賞の感想や仕込みの苦労などを語った。

 県酒造組合の有賀義裕会長も参加し「本県の醸造技術の高さを改めて全国に発信できた」とたたえた。また、内堀雅雄知事に「東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が始まれば、酒や農産物、海産物にとって大きなマイナス。何とか今年のうちに中国や韓国などの輸入規制解除を目指してほしい」と要望した。

 シンガー・ソングライターで利き酒師の氏家エイミーさんも駆け付け「福島のお酒は技術力が素晴らしく、安心しておいしいものが選べる。グラタンやアボカドのぬか漬けなど日本酒に合う食事はたくさんあり、福島の日本酒となじむ形を提案していきたい」と語った。

 【受賞蔵の声】▽名倉山酒造の松本健男社長 今年はコメが溶けにくく悩んだが、きれいな甘さを出すことができた。さらに良い酒を造りたい。

 ▽榮川酒造磐梯工場の宮森優治取締役 受賞を知り思わず杜氏(とうじ)と抱き合った。金賞数日本一に貢献でき蔵人一同本当に喜んでいる。

 ▽白井酒造店の代表社員白井栄一さん 県の鑑評会では厳しい点数で不安だった。8回連続の金賞受賞に正直ほっとした。

 ▽会津酒造の渡部景大社長 今年の冬は非常に寒く、温める作業が多く造りにくかった。金賞を頂けたことは非常にありがたい。

 ▽開当男山酒造の蔵元渡部謙一さん 蔵人が粛々と一生懸命努力した結果で、ありがたくほっとしている。早く蔵人と祝杯を上げたい。

 ▽東日本酒造協業組合の遊佐丈治社長 12回連続の金賞だが、毎回原料も人も変わる真剣勝負。地震でタンクが落ち大変苦労した。

 ▽豊国酒造の矢内賢征専務(杜氏) 金賞を取りたいというより日本一のメンバーに加わりたかった。ほっとしたのと喜びの半々。