花泉酒造がグランプリ 全米日本酒歓評会・大吟醸B部門

 
グランプリに選ばれた「皐口万純米大吟醸一回火入れ」を手に笑顔を見せる星代表社員

 国外で最も歴史のある日本酒品評会「第21回全米日本酒歓評会」の結果が29日発表され、花泉酒造(南会津町)の「皐口万(さつきろまん)純米大吟醸一回火入れ」が大吟醸B部門(精米歩合50%以下)で最高評価のグランプリに輝いた。

 歓評会は日本酒文化を米国などに広める国際酒会の主催。全国新酒鑑評会にならい、2001(平成13)年から毎年開催している。

 今回は日本と米国の215蔵元から大吟醸A(精米歩合40%以下)、大吟醸B、吟醸、純米の4部門に計576点の出品があった。

 審査は21~23日、米ハワイで行われた。

 金賞151点、銀賞152点を選び、金賞の中からグランプリと準グランプリを決めた。

「オール福島が認められた」

 大吟醸B部門でグランプリに輝いた花泉酒造の星誠代表社員(45)は「会津産の酒造好適米や、県オリジナルのうつくしま夢酵母など『オール福島』の酒が世界で認められ、心からうれしい」と笑顔を見せた。

 同酒造は、全国でも珍しい製造方法「もち米四段仕込み」で知られ、フルーティーな香りやまろやかな味わいが特徴だ。新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受ける中での受賞だけに、星代表社員は「これまで支援をいただいたお客さまや同業者、取引業者に恩返しができた」と話した。

 10月上旬からは新酒の仕込み作業が始まる。星代表社員は「コロナ禍で世の中が大変な時。人の心を優しく包み込むような酒を提供したい」と目を輝かせた。

福島県の入賞酒

◇大吟醸A ▽金賞=「大吟醸 剣」(末廣酒造)「会津中将 純米大吟醸 特醸酒」(鶴乃江酒造)▽銀賞=「大吟醸 玄宰」(末廣酒造)「豊國 大吟醸 學十郎」(豊國酒造)

◇大吟醸B ▽金賞・グランプリ=「皐口万純米大吟醸一回火入れ」(花泉酒造)▽金賞=「結芽の奏 純米大吟醸(フルーティー)」(花春酒造)「さくら大吟醸」(奥の松酒造)▽銀賞=「名倉山 大吟醸」(名倉山酒造)

◇吟醸 ▽金賞=「七口万純米吟醸一回火入れ」(花泉酒造)「名倉山 純米吟醸 善き哉」(名倉山酒造)▽銀賞=「口万純米吟醸一回火入れ」(花泉酒造)

◇純米 ▽銀賞=「會津宮泉 純米酒」(宮泉銘醸)「名倉山 純米酒 月弓」(名倉山酒造)「純米酒 奈良萬 無ろ過瓶火入れ」(夢心酒造)