すっきりとした甘口 末廣酒造「伝統農法純米吟醸生 雨傘」製造

 
日本酒「伝統農法純米吟醸生 雨傘」

 末廣酒造(会津若松市)は、会津に伝わる農法で育てた酒米を使った日本酒「伝統農法純米吟醸生 雨傘」を製造した。江戸中期の農業技術が記された「会津農書」に基づく会津農法から商品を生み出し、伝統農法を農業遺産に登録する足掛かりとしたい考え。

 会津では、2018(平成30)年に会津農書に基づく伝統農法などの世界農業遺産、日本農業遺産認定を目指したが、実現しなかった。その際に足りないとされた、農法の「実例」をつくるための取り組み。

 今回採用しているのは、土壌に酒かすを入れる農法。発酵によって栄養分に富んだ土壌になるという。会津美里町の十数軒の農家に協力してもらい、酒米「五百万石」を生産した。新城猪之吉社長は「会津農書に基づく伝統農法は今後の農業にとって大事な要素を持っており、広めていきたい」と話した。すっきりとした甘口が特徴。720ミリリットル1870円。

 販売などの問い合わせは末廣酒造博士蔵(電話0242・54・7788)へ。