名倉山「会津士魂」 純米部門で準グランプリ 全米日本酒歓評会

 
準グランプリに輝いた「会津士魂 特別純米」を手に受賞を喜ぶ松本社長

 海外で最も歴史ある日本酒の審査会「第22回全米日本酒歓評会」の結果が21日発表され、名倉山酒造(会津若松市)の「会津士魂 特別純米」が純米部門の準グランプリに輝いた。

 日本と米国の165蔵元から大吟醸A(精米歩合40%以下)、大吟醸B(同50%以下)、吟醸、純米の4部門に計576点の出品があった。審査は13~15日に米ハワイで行われ、金賞に157点、銀賞に148点を選出し、金賞の中から各部門でグランプリ1点、準グランプリ2点を決めた。審査員は県酒造組合の鈴木賢二特別顧問らが務めた。

 歓評会は日本酒文化を米国などに広める国際酒会が全国新酒鑑評会にならい、2001年から毎年開催している。

 「社員の挑戦が実った」 名倉山の松本社長

 名倉山酒造は「蔵人の挑戦」をテーマに掲げ、3年前に造り始めた「会津士魂 特別純米」で純米部門の準グランプリに輝いた。松本和也社長(33)は「社員の挑戦が実って良かった」と笑顔を見せた。

 会津士魂は会津産の酒造好適米「夢の香」を使った無ろ過無加水原酒で、全量を瓶で貯蔵する。火入れした酒をタンクで貯蔵するほかの酒に比べると量産は難しいが、酸味や甘味が際立つという。

 松本社長は「きれいな味わいが特長の名倉山の酒に、新たな魅力を加えることができた」と胸を張り、「福島の酒が国外で評価され、ありがたい。良い酒を造り続けようという励みになる」と受賞を喜んだ。

 ■各部門グランプリと本県の入賞酒

 ◇大吟醸A ▽グランプリ=「初亀 純米大吟醸 東条山田錦 田尻農園作」(静岡県、初亀醸造)▽金賞=「ロ万純米大吟醸原酒一回火入れ(福乃香)」(花泉酒造)「大吟醸 玄宰」(末廣酒造)▽銀賞=「名倉山 大吟醸 鑑評会出品酒」(名倉山酒造)「大吟醸雫酒十八代伊兵衛」(奥の松酒造)

 ◇大吟醸B ▽グランプリ=「女川 あたごのまつ 純米大吟醸」(宮城県、新沢醸造店)▽金賞=「皐ロ万純米大吟醸一回火入れ」(花泉酒造)「純米大吟醸 ゆめのかおり」(末廣酒造)▽銀賞=「名倉山 大吟醸」(名倉山酒造)「さくら大吟醸」(奥の松酒造)「豊國 純米大吟醸 夫婦さくら」(豊國酒造)

 ◇吟醸 ▽グランプリ=「出羽桜 雄町」(山形県、出羽桜酒造)▽金賞=「七ロ万純米吟醸一回火入れ」(花泉酒造)「会津士魂 純米吟醸 福乃香」(名倉山酒造)「純米吟醸 奈良萬 酒未来」(夢心酒造)▽銀賞=「南山 純米吟醸」(開当男山酒造)「名倉山 純米吟醸 善き哉」(名倉山酒造)「純米吟醸 豊國 原酒」(豊國酒造)

 ◇純米 ▽グランプリ=「作 穂乃智」(三重県、清水清三郎商店)▽準グランプリ=「会津士魂 特別純米」(名倉山酒造)▽金賞=「名倉山 純米酒 月弓」(名倉山酒造)「特別純米」(奥の松酒造)「純米酒 奈良萬 無ろ過瓶火入れ」(夢心酒造)▽銀賞=「開当男山 夢の香」(開当男山酒造)