遠くから買いに来る味 「牛めんちカツ」人気、田村の川合精肉店

 
優秀賞を受賞した「牛めんちカツ」を手にする川合さん。「自信になった」と前を見据える

 川合精肉店(田村市常葉町)社長の川合達也さん(33)が手がけた総菜商品「牛めんちカツ」が評判となっている。全国スーパーマーケット協会の「お弁当・お総菜大賞2023」で県内唯一の優秀賞を獲得し、川合さんは「受賞を励みに頑張りたい」と、店舗経営の意欲を新たにしている。

 川合さんは2017(平成29)年、祖父の代から半世紀ほど続く店を継いだ。安くておいしい、昔ながらの総菜を売りにして、地域住民に親しまれてきた精肉店だった。川合さんは社長に就く際に販路を広げるため「お客さんが遠くからでも買いに来るような新商品を作りたい」と考えた。

 従来の店舗経営に加え、新たに出張バーベキュー事業などを展開して好評だったことを参考に、肉の風味を前面に打ち出したメンチカツを開発しようと思い立った。メンチカツには豚肉や鶏肉を使用するのが一般的だが「100%牛肉」にこだわり、試行錯誤を重ね、和牛とオーストラリア産牛を混ぜ合わせた「牛めんちカツ」を作り上げた。

 牛めんちカツは中にソースを練り込み、牛肉の脂をしっかりと堪能できるのが特長だ。店舗だけでなく、各地のマルシェで販売することで認知度も上がってきたという。価格は250円。

 お弁当・お総菜大賞では専門店・コンビニ店ほかの総菜部門で最優秀賞に次ぐ評価を受けた。川合さんは「受賞は自信になった。また新商品作りに挑戦し、多くの人に愛される店にしていきたい」と前を見据える。