最高賞しょうゆミニボトルに 11日発売「薄口と濃い口使い分けて」

 
発売されるヤマブンうすくち醤油(右)と香味しょうゆのミニボトル

 本年度の全国醤油(しょうゆ)品評会で最高賞「農林水産大臣賞」に輝いた本県の薄口と濃い口のしょうゆが、そろって手のひらサイズのミニボトルで発売される。原発事故後、県産しょうゆの出荷量が伸び悩む中、土産品として手にしてもらい、本県の高い醸造技術を知る機会になればと企画された。震災から12年となる11日に発売される。

 販売されるのは270点が出品された品評会で、5点のみに与えられた最高賞を受けた山形屋商店(相馬市)の「ヤマブンうすくち醤油」と県醤油醸造協同組合(二本松市)の「香味しょうゆ」。ヤマブンうすくち醤油は、すっきりとした香りと深いうまみを兼ね備える。濃い口の香味しょうゆは、まろやかな塩味が特徴で卵かけご飯と相性がいい。販売を企画した山形屋商店代表社員の渡辺和夫さん(53)は「薄口と濃い口は和食にとっての両輪。ぜひ使い分けてほしい」と話す。

 ミニボトルは高さ約14センチ、底面の直径約4センチのガラス瓶(100ミリリットル入り)。受賞後、ミニボトル入りのヤマブンうすくち醤油を試験的に販売すると、大きな反響を得たため、本格展開することになった。

 渡辺さんによると、県産しょうゆは近年の品評会で好成績を残し、全国の醸造業者の注目を集めている。ただ、全国のしょうゆの出荷量は震災前と比べてもほぼ横ばいだが、本県は震災前の5割程度にとどまる。渡辺さんは「『醸造王国・福島』を全国にPRしたい。しょうゆを通じて震災からの復興に貢献できれば」としている。

 1本350円で道の駅そうま、浜の駅松川浦(相馬市)、セデッテかしま(南相馬市)、道の駅なみえ(浪江町)などで扱う。問い合わせは山形屋商店(電話0244・35・2966)へ。