沿岸部復旧、一歩ずつ 広野、課題は住民帰還

 
沿岸部復旧、一歩ずつ 広野、課題は住民帰還

被災した沿岸部では護岸の建設など災害復旧、復興工事が本格化している=広野町

 震災、原発事故から、間もなく3年5カ月を迎える。住民避難が続く双葉郡では復興の遅れが目立つが、郡内で唯一全域で避難指示が出ていない広野町では、復興に向けた取り組みが本格化している。

 同町では生活圏の除染がほぼ完了し、3月には同郡で初めて被災した沿岸部の本格的な復旧・復興工事が始まった。今秋には津波被災者向けの災害公営住宅の入居も始まる見通しだ。

 復興最大の課題となる住民の帰還はまだ十分に進まず、帰還者は町の推計で震災前の町人口の約5割。一方では、原発収束作業の拠点として約2600人の作業員が暮らす。作業員ら新住民といかに共生していくかも問われている。