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【2008.1.26】
安達太良連峰(二本松市など)//四季折々「ほんとうの空」//
渡辺一郎さん
渡辺一郎さん
◆行くたびに違う姿
  毎年5月第3日曜日に山開きが行われ、シーズン入りする安達太良山。地元の登山愛好家らでつくるあだたら山の会は創立から50年にわたり、登山道の整備やパトロール、冬山遭難での山岳救助などを続け、安全な登山を支えている。
 会長の渡辺一郎さん(63)は「行くたびに違う山の姿があり、飽きることがない」と魅力を語る。一方で「アプローチが短く登山しやすいが、侮ると、しっぺ返しを食う」と、備えを万全にした登山を呼び掛ける。
安達太良連峰 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

四季折々に違う表情を見せる安達太良連峰。秋の紅葉のシーズンは大勢の登山客らが訪れ最もにぎわう ■東北道・二本松ICから車で約20分。JR二本松駅からバスで約30分。

  磐梯朝日国立公園の南端に位置する。南北九キロにわたり、和尚山、安達太良山、船明神山、鉄山、箕輪山、鬼面山が連なる。主峰の安達太良山(1700メートル)は「乳首山」とも呼ばれ、日本百名山の1つに数えられている。
 詩人で彫刻家の高村光太郎は詩集「智恵子抄」で、妻智恵子が語ったふるさとへの思いをつづり、安達太良山の上に浮かぶ青い空が「ほんとの空」と記した。また万葉集では、安達太良山を歌った和歌が残っているほか、江戸時代の画家谷文晁も「日本百名山図会」で描くなど、古くから愛されている。
 豊かな自然が織りなすさまざまな表情が魅力を引き出している。那須火山帯に属し、鉄山と船明神山の間にある「沼の平」は、1900(明治33)年の大噴火の噴火口跡で、不毛な月世界を思わせる光景が広がる。一方、東山麓(さんろく)に広がる「勢至平(せいしだいら)」と「僧吾台(そうごだい)」は高山植物が群生する。
 山々は、春の残雪と新緑をはじめ、シャクナゲやツツジなどが咲き乱れる夏、秋には全山が燃えるような紅葉に包まれ、冬は山麓一帯が銀世界に変わり、四季によりさまざまな様相を見せる。最もポピュラーな二本松市の奥岳など7つの登山口があり、距離は短いが、バリエーション豊かな山行を味わえる。多くの登山口で名湯がわき、岳、塩沢、中ノ沢、磐梯熱海、土湯など温泉地には全国から多くの行楽客が訪れる。
 

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