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【2008.1.30】
立木千手観音(会津坂下町)//慈悲にあふれる一木彫//
藤田恵盛さん
藤田恵盛さん
若者の参拝が増加
  立木千手観音は「仏都会津」を象徴する仏像の1つで、幅広い世代のたくさんの人が参拝に訪れる。副住職の藤田恵盛さん(42)は「若い人たちに会津の歴史文化や仏教への関心が高まっていることを実感している」と言う。
 8月の例大祭をはじめ、全国各地から参拝に訪れる人に、若者の姿が多くなったという。「立木千手観音や会津の仏教について熱心に質問する若い人が増え、うれしい。多くの人に会津の仏教の素晴らしさを知ってほしい」と話す。
立木千手観音 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

全国から参拝者が訪れる立木千手観音 ■磐越道会津坂下ICから北東に約5キロ。JR只見線塔寺駅から約2キロ

  国の重要文化財。金塔山恵隆(えりゅう)寺の本尊で「会津ころり三観音」「会津三十三観音」の1つ。子年生まれの人の一代守護本尊としても知られ、全国から参拝者が訪れて熱心な祈りをささげる。
 同寺の言い伝えによると、平安時代の808(大同3)年に弘法大師が、根づいた状態で巨木の枝を切り彫刻したという。高さ8.5メートルの一木彫で、根がついている仏像では全国最大級。慈悲にあふれる表情、まなざしが、参拝者の心に安らぎを与える。
 同寺は、約1400年前の「高寺伝承」にまつわる寺で、歴史的変遷を経て804(延暦23)年に再興された。長い歴史の中で、会津だけでなく、全国からの信仰を集めてきた。立木観音堂も国重文で、鎌倉時代の1190(建久元)年に建てられた。かやぶき屋根、寄せ棟造りの和様建築は、剛健で重厚な鎌倉時代の建築の特色を備え、高く評価されている。堂内には、抱き付いて心願すれば満願成就するといわれる「だきつき柱」、県重文の二十八部衆、風神・雷神三十体などがある。人々の苦しみを和らげる「櫛の奉納」なども行われている。
 毎年2月3日の「節分の日」には、盛大な節分会追儺(ついな)式が行われ、家内安全や商売繁盛を願う年男年女らが豆や福袋をまき、福を求める大勢の参拝者で熱気にあふれる。また、8月17、18日の例大祭では、開帳法要が営まれ、全国からたくさんの参拝者が詰めかける。
 

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