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伊藤延広さん |
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◆ルールづくり必要 |
裏磐梯の自然を広く紹介している裏磐梯ビジターセンターの伊藤延広さん(73)は「何代にもわたって裏磐梯の自然の恩恵を受けることができるよう、地元住民や観光業者などによるルールづくりが必要」と訴える。
裏磐梯エコツーリズム協会の副会長としても活躍している伊藤さんは「自然保護と、観光地としての利用のバランスが国立公園にとって極めて重要。持続可能な観光に向けての指針が必要な時代になっている」と力を込める。 |
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五色沼の中で最も大きく、幻想的な色をたたえる毘沙門沼。観光客でにぎわいを見せる |
■磐越道の猪苗代磐梯高原ICから国道459号を走り車で約20分 |
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年間を通して多くの人が訪れ、本県を代表する観光スポットになっている裏磐梯。桧原、秋元、小野川、曽原の4つの湖と、五色沼などに代表される風光明美な湖沼群は、1888(明治21)年7月15日の磐梯山の噴火によって誕生した。
湖は多くの川がせき止められて形成され、五色沼などは山体崩壊によって岩が流れた所にくぼ地ができ、そこに水がたまってできたと考えられている。年月の経過とともに植物が侵入し陸化が進んだことで、約300といわれる湖沼群ができた。裏磐梯から見る磐梯山は、猪苗代町側からの優美な姿とは対照的に、荒々しい爆裂口が噴火のすさまじさを今に伝える。
湖沼群をぬって、多くの探勝路やハイキングコースが整備されており、夏はキャンプやトレッキング、カヌーなどを楽しむ人たちでにぎわう。周囲約38キロで、もっとも大きい桧原湖には遊覧船も運航する。冬は、ワカサギの穴釣りも有名。五色沼は、気象条件によってエメラルドグリーンなどに水の色が変化する毘沙門沼や、瑠璃沼、みどろ沼などいくつかの沼の総称で、裏磐梯でも特に人気の高いスポット。
裏磐梯は、噴火によって1度は破壊された自然が、新たに再生する途上にあるという点から、学術的にも大きな注目を集めている。また磐梯朝日国立公園に含まれていることもあり、地域を挙げて貴重な自然を守る取り組みを推進している。 |
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