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【2008.03.05】
安積歴史博物館(郡山市)//教育の歩み伝える建物//
中村哲郎さん
創建200年を目指す
  「本県を代表する博物館として、地元の人たちにその価値を知ってほしいし、みんなで守っていきたい」と安積歴史博物館長の仲村哲郎さん(73)は話す。同博物館は安積高100周年を記念して1984(昭和59)年に財団法人化された。現在は愛校心あふれる同窓生がすべての役職に就き、建物の維持、管理に努めている。
 仲村さんは「まずは創建200年を目指し、次世代に期待を込めたい」と力強く話す。

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明治期の代表的な洋風建築として、1世紀以上の教育の歩みを伝える安積歴史博物館 JR郡山駅から西に車で約15分、東北道郡山ICから南に車で約10分

  貴重な建物とともに明治以降の中等教育の歩みを現在に伝えている。建物は県尋常中(現安積高)の本館として1889(明治22)年3月、郡山市開成に建てられた。1973(昭和48)年まで校舎として使用され、明治期の代表的な洋風建築として77年6月、国の重要文化財に指定された。
 本県唯一の中学校の校舎として長く親しまれてきた博物館は、当時の中等教育と1世紀以上にわたる教育の歩みなどを現在に伝える役割も果たしている。館内の展示室では、当時の中学校教育の様子や野外演習、集団勤労作業を含む戦時体制下の学校教育の状況などを解説している。
 また、国際政治の分野で世界平和に貢献した歴史学者の朝河貫一をはじめ、作家の高山樗牛、久米正雄、中山義秀、京都帝大総長を務めた新城新蔵と小西重直ら同校で学んだ後に偉大な功績を残した先人たちの足跡を直筆の文書や著書などで紹介している。
 建築の面では、鹿鳴館風の優れた建物として高く評価されている。講堂の天井には、ろうそく用の華やかなシャンデリアを2つ設置。ベランダ、バルコニーは八角形でつくられているほか、柱もすべて八角形でつくられるなど、随所に木造洋風技術が表れている。
 明治期に創建された旧制中学校舎がそのままの姿で同じ場所に残るのは全国的にも唯一とみられる。完成当時、安積開拓の地につくられた建物は「桑野御殿」とも呼ばれた。
 

福島民友新聞社
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