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山口 恒憲さん |
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◆まさに天上の楽園 |
雄国沼が全国的に知られるようになって観光客が増加、道路の渋滞問題やごみ放置などの問題が発生したが、近年はマイカー規制、監視員による巡回やガイドにより植生が戻りつつあるという。
40年以上にわたり、雄国沼を見続けている環境省自然保護指導員で雄国沼植物監視員を務める喜多方市の山口恒憲さん(65)は「雄国沼は、多様な植物や湿原、そこに吹く風などすべてがすばらしい場所。まさに天上の楽園」と魅力を語る。 |
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夏はニッコウキスゲが咲き誇る天然記念物の雄国沼湿原 |
■磐越道会津若松ICから車で約1時間。萩平駐車場からバスで約25分。 |
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1089メートルの標高に広がる湿原は、6月から7月にかけて広がるニッコウキスゲの大群落が有名で、春から秋にかけて県内外から多くの観光客が訪れる。
雄国沼湿原植物群落として1957(昭和32)年に国の天然記念物に指定された。沼は周囲に、雄国山(1271メートル)、猫魔ケ岳(1404メートル)、厩岳山(1261メートル)などの外輪山を持つカルデラ湖。周辺約3.5キロ、約179ヘクタールに湿原が広がる。かつて沼の面積は現在の半分程度で3日月湖と呼ばれていたが、大きな堰(せき)を建設するなどして現在の規模になった。
春にミズバショウやショウジョウバカマ、夏にレンゲツツジ、ニッコウキスゲ、コバイケイソウ、秋にアキグミ、クサモミジなど、280種類以上の植物が花や実をつけ、秋の美しい紅葉が訪れる人々を魅了する。
湿原には木道が整備され、2000年に雄国沼西側に雄国休憩舎が完成した。喜多方市側からは金沢峠を通ると車で沼近くまで来ることができるため観光客が増加。05年から6、7月はマイカー規制をして県営萩平駐車場からシャトルバスを運行、環境保護対策にも力を入れる。
沼に向かうには北塩原村の雄子沢からのルート、ラビスパ裏磐梯から雄国山を通るルート、磐梯山ゴールドライン八方台登山口から猫魔ケ岳を通るルートなどがあり、登山愛好家が雄大な自然を楽しみながら散策する。 |
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