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【2008.03.07】
背戸峨廊・夏井川渓谷(いわき市)//四季の表情に富む景観//
小野昭三さん
地元の誇り後世に
  いわき市小川町江田地区長の小野昭三さん(71)の父親の故忠仁さんは、草野心平とともに背戸峨廊を探勝し、命名に立ち会った。探勝会長を務めた忠仁さんの遺志を受け継ぎ、小野さんも巡回活動などを通じて両渓谷の環境保全に努めている。
 小野さんは「豊かな自然をたたえる背戸峨廊と夏井川渓谷は地元住民の誇り」とした上で「自然が生み出した美しい景観を後世に残していきたい」と誓いを新たにする。
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滝や淵が変化に富んだ景観をつくっている夏井川渓谷。四季折々の表情が訪れる人を魅了している 背戸峨廊入り口はJR磐越東線江田駅から徒歩約15分。夏井川渓谷は同約40分

  いわき市を横断し太平洋へと注ぐ夏井川支流の江田川下流にあり、荒々しい景観をつくっている背戸峨廊。その名は1947(昭和22)年、同市小川町出身の詩人草野心平が命名した。「背戸」は方言で隠れた場所を指し、「峨」は険しい、「廊」は細長い通路を意味するという。一風変わった名称の通り、山深くにあって奇岩怪石をぬう急流と滝が連続する美しい景観が約8キロにわたり続く。
 渓谷には心平が名付けた沢や淵(ふち)、滝が数多くある。渓谷入り口から遊歩道を歩くと、初めに出合う滝の名前はトッカケ滝。「トッカケ」とは最初という意味を持つ。釜ん淵、黄金とろかし、黒鍋の淵、竜の寝床などもあり、詩人ならではの個性的な名前が付けられた景勝は、多くの人に親しまれている。
 夏井川渓谷は、JR磐越東線と磐越街道(県道41号)に沿って約15キロにわたり続く。流域一帯は背戸峨廊を含めて県立公園に指定されており、その美しさを一目見ようと1年を通じて多くの観光客が訪れる。
 渓谷はさまざまな滝や淵が変化に富んだ景観をつくり、春のアカヤシオ、夏の涼しげな清流、秋の紅葉と四季折々の表情を見せる。毎年秋には渓谷沿いの紅葉をライトアップする「光のページェント」が開催され、多くの人でにぎわう。夜空に照らし出された赤や黄色の彩り豊かなモミジやカエデが幻想的な光景をつくり出し、同市の秋の風物詩となっている。
 

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