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【2008.03.27】
天鏡閣と県迎賓館(猪苗代湖)//皇族ゆかりの保養施設//
渡部永一さん
10月100周年の催し
 天鏡閣が一般公開された1982(昭和57)年に県観光開発公社の職員となり、施設の管理などを担当してきた渡部永一さん(53)=国民宿舎翁島荘支配人=は「単に見学するだけではなく、文化財に触れてもらえる機会をつくっていきたい」と話す。
 今年は天鏡閣の築100周年に当たることから、10月には記念イベントも予定されている。「文化財に加え、約180fの県有林を活用した体験型の催しもできたら」と記念の年に意欲を燃やす。
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明治の薫りを今に伝えているルネサンス様式の天鏡閣 磐越道猪苗代・磐梯高原icから国道49号を会津若松方面に約10分

  明治時代の洋風建築のたたずまいを今に伝える天鏡閣と、日本建築の粋を結集して建てられた県迎賓館。ともに皇族ゆかりの歴史があり、国重要文化財に指定されている。
 天鏡閣は、1907(明治40)年に有栖川宮威仁親王が東北地方を旅行中に猪苗代湖畔を訪れた際、その風景の美しさに感動して別邸を建築することになり、翌08年8月に完成した。新築間もない9月に、皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)が訪れ、李白の句「明湖落天鏡」にちなんで天鏡閣と命名。多くの皇族が利用し、昭和天皇は新婚の一カ月間をここで過ごされた。ルネサンス様式を基調とした建物の外観は変化に富んでおり、内部も意匠を凝らした造り。美しいシャンデリアや天井に施された飾り絵、豪華な絨毯(じゅうたん)、カーテンなどは明治期の皇族別邸の雰囲気を色濃く残している。
 県迎賓館は22(大正11)年、高松宮宣仁親王が、有栖川宮親王妃慰子殿下の保養のために建設した。木造平屋の純日本風の建物で、江戸時代ごろの上層貴族・武士住宅の姿を伝える。ヒノキなどの高級木材が使用されており、床の間や欄間などの意匠にも洗練された技術が見られる。美しい日本庭園も一見の価値がある。
 2施設は、52(昭和27)年、高松宮親王から建物と敷地が県に下賜された。現在、周辺には散策路も整備され、文化と自然を堪能できる観光スポットになっている。
 

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