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郡司弘信さん |
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◆魅力伝え守りたい |
旧滝根町職員で、あぶくま洞発見当時から観光活用と保全に努めてきた郡司弘信さん(73)は現在、滝根町観光ボランティアガイドの会会長として観光客らをもてなし、あぶくま洞をはじめ滝根地区を案内する。
鍾乳洞はその形成と維持に地下水が重要だが、洞のある仙台平は過去に草地にされたため、山の保水力を高めようと植樹活動にも力を入れる。
「8000万年の時が造り上げた造形美。その魅力を伝え、守っていきたい」と話す。 |
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8000万年の時が造り上げた神秘の地底空間。あぶくま洞・滝根御殿 |
■磐越東線神俣・菅谷両駅から車で各約10分。磐越道小野ICから北へ同15分 |
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阿武隈高原の最高峰・大滝根山の中腹に広がるカルスト台地の仙台平。その地底にあぶくま洞と入水鍾乳洞がある。石灰岩層に流れ込んだ雨水の溶食により、長い年月をかけて大自然の神秘の空間がつくり出された。
あぶくま洞は1969(昭和44)年9月、石灰石の採掘中に発見された。73年に公開され、ピーク時には入洞者が年間100万人を超えた。現在でも30万人程度が訪れ、昨年は通算2000万人を突破。本県を代表する観光スポットとなっている。
公開されている全長約600メートルの洞内は、天井から下がるつらら石や石管、タケノコのように上に向かって伸びる石筍(せきじゅん)、田んぼのあぜのようなリムストーンなど変化に富む。鍾乳石の種類と数の多さから東洋一とうたう。洞内は三層構造になっていて、最上層には高さ20メートルの空間「滝根御殿」が広がり、8000万年前の壮大なスケールで入洞者を迎える。
公開ルートの奥にも45メートルで日本一というフローストーン(滝状の鍾乳石)など神秘の世界は深い。
入水鍾乳洞は1927年に地元の人に発見され、34年に国の天然記念物に指定された。
全長900メートルの洞内は水路が多く、手つかずの地底をロウソクなどの明かりを頼りに、水につかりながら進むコースもあり、本格的な探検気分が味わえる。 |
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