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【2008.04.02】
波立海岸の植物群(いわき市)//四季折々の自然を残す//
皆川岱寛さん
「地域の宝」守る
 県の天然記念物に指定されて以来、手付かずの自然が残され、浜風に強いなど特徴的な植物を見ることができる波立海岸周辺。草木は年々成長、かなりの樹齢を誇る木々も生育している。
 周辺の自然について波立寺住職の皆川岱寛さん(46)は「自然と海と寺という独特のロケーションが支持される理由」と分析した上で「植物地理学上の価値が高いと言われる自然林。地域の宝としてこのままの状態で維持していきたい」と語る。
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県の天然記念物に指定されている波立海岸の植物群 常磐道いわき四倉ICから東へ車で15分、JR常磐線四倉駅から徒歩20分

  いわき市久之浜の波立寺周辺の海岸丘陵一帯に、海岸性の暖地性植物の自然林が広がっている。同寺が所有しており、1956(昭和31)年に県の天然記念物に指定された。「波立山」とも呼ばれている。本県の太平洋沿岸では最も自然な状態で保護されている。
 草木も暖地性のものが主でクロマツ、シイ、タブ、モチノキ、ヤブツバキなどが多い。ヤツデ、トベラ、ヒサカキなどの常緑樹のほか、林床にはツワブキ、オニヤブソテツ、ジャノヒゲ、ハマギクなどが自生する。シイ、ヤツデ、ツワブキは日本のほぼ北限、ハマギクは南限に近いと言われている。
 暖地性植物群は、この海岸から北上するにつれて少なくなり、自然の状態で残っているところがなくなることから、典型的な海岸植物群として価値が高いとされる。
 寺の境内から見える場所からもツバキ、二輪草、カタクリ、アジサイ、ハマエンドウ、ヒルガオなどが順番に顔を出す。地域住民からは、四季折々の自然の姿を楽しむことができると評判を集めている。
 また、波立海岸は市内でも有数の初日の出の名所としても知られる。海上には波立薬師の弁財天が祭られた弁天島があり、33年に島へ渡ることができる弁天橋が架けられた。
 初日が昇ると、赤い橋との美しいシルエットが浮かび上がるため、地元住民だけでなく県内外から多くのファンが訪れる。
 

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