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【2008.04.03】
三春張子人形と三春駒(三春町・郡山市)//日本を代表する工芸品//
橋本彰一さん
橋本彰一さん
◆伝統を発展させる
  三春張子と三春駒の発祥の地とされる郡山市西田町の高柴デコ屋敷では、5軒の家で人形作りを守っている。創業三百余年の本家大黒屋では、20代目橋本貞雄さん(60)と長男の彰一さん(33)らが制作に当たる。
 彰一さんは高校の美術教師を経て、5年前から本格的に家業に専念。「伝統は固定化されたものではなく、長い歴史の中で変化し、発展してきた。自分もその発展に加わらなくてはいけない」と自らに使命を課す。
三春張子人形と三春駒 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

日本を代表する郷土玩具として名高い三春張子(左)と三春駒 磐越道郡山東ICから北に約7分、東北道本宮ICから南東に15分

  旧三春藩領の高柴デコ屋敷(郡山市西田町)などで受け継がれている郷土玩具。起源は定かでないが、三春張子は江戸時代、三春駒は坂上田村麻呂東征の伝説にまでさかのぼる。玩具とはいえ、長い歴史の中で培われた技法と洗練されたデザインにより、日本を代表する伝統工芸品として知られている。
 三春張子は、元禄時代のころに三春藩高柴村に始まったとされ、文化・文政期に最盛期を迎えた。土で作った伏見人形(京都)や堤人形(仙台)に対し、和紙の特性を生かした自在な表現が特徴。複数の木型から取った型を合わせたり、厚紙や竹ひごなどで作った小道具を取り付ける「とりくみ」という技法が、動きと繊細さを持った作品を可能にしている。
 種類は、歌舞伎を元にする錦絵や浮世絵などを題材にしたもの、縁起物、だるま、面などと豊富。
 三春駒は、木ノ下駒(仙台)、八幡馬(青森)とともに日本3大駒に数えられるが、その中でも直線と面からなる体系のバランスと彩色は随一と評価されている。
 三春は馬の産地だったため、子馬の成育を願って神社に奉納したり、子どもの玩具として用いられていたのが、坂上田村麻呂の伝説と結びついたとされる。高柴子育木馬とも呼ばれ、子育てのお守り。白色の白駒は、三春藩の馬術師範の名馬「養老号」を模して作られるようになり、その名にちなんで老後のお守りとされている。
 

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