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尾方昭一さん |
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◆今後も1000年目標 |
木幡の幡祭りは、9つの堂社の代表と、二本松市木幡地区の各種団体の約60人で実行委員会を結成、守り続けている。
木幡観光振興会長で、木幡の幡祭り実行委員長の尾形昭一さん(66)は「地域の高齢化が進み、担ぎ手不足で祭りも以前より寂しくなっているが、今後も1000年を目標に続けていきたい」と話す。さらに「9堂社で祭りを行っているが、堂社以外の人たちもぜひ幡を担いで参加してほしい」と広く呼び掛けている。 |
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950年余りの伝統を誇る木幡の幡祭り。冬空に色鮮やかな五反幡がたなびく |
■東北道二本松ICから北東へ車で約25分、JR二本松駅から同約20分 |
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1055(天喜3)年の前9年の役の故事が起源とされ、950年余りにわたり受け継がれてきた。地域住民が守り続けた祭りは日本三大旗祭りの一つに数えられ、2004(平成16)年には、国の重要無形民俗文化財に指定された。
起源とされた故事は、奥州の豪族安倍一族と戦った源頼義・義家父子が敗走した際、戦勝祈願した木幡山の大杉が初雪に包まれ、安倍勢が木々の雪を源氏の白旗と見誤って退却したという伝説。以来、源氏の白旗に見立てた五反旗を同山などに奉納する祭礼として行っている。
現在は、12月の第1日曜日に行われている。二本松市木幡地区の9つの「堂社」がそれぞれ、五反の「白幡」一本、「色幡」二本と三反幡五本を製作する。このほかにも「ミニ幡」といわれる小幡百数十本が用意される。
祭り当日は、木幡山の隠津島神社一の鳥居跡の木幡第一小学校に集合。五反幡を担いで競走する「幡競走」などの後、幡行列が出発する。男衆は白装束にえぼし姿で参列、白幡を先頭に五反幡などをたなびかせ、木製のほら貝を吹き鳴らしながら山頂を目指す。
祭りは、成人の儀式も兼ねており「権立(ごんだち)」といわれる18歳前後の少年が行列とともに山頂を目指し、奇岩の「胎内岩」をくぐって大人の仲間入りを果たす。大勢の写真愛好家も訪れ、道路脇でカメラを構える姿も冬の風物詩になっている。 |
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