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【2008.04.09】
須賀川の松明あかし(須賀川市)//領主を弔う火祭り起源//
佐藤貴紀さん
◆常に緊張感がある
  
 松明あかしの成功には、古里の伝統を受け継いでいこうとする市民の力が欠かせない。大松明の制作や指導、運搬に取り組んでいるボランティアグループ「松明をもりたてる会」は祭りの屋台骨を支えている。
 会長の佐藤貴紀さん(34)は「毎年、決して同じようにはいかない。常に緊張感がある」と語る。その原動力を「きれいに燃え上がり、けが人もなく、無事に終わったときの達成感は、ほかでは経験できない」と話す。
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赤々と燃え上がる巨大な松明が夜空を焦がす須賀川の松明あかし ■JR須賀川駅から徒歩約10分。東北道須賀川ICから東へ車で約10分

  日本三大火祭りの1つに数えられている。今年で419年となる歴史の始まりは、1589(天正17)年にさかのぼる。南奥羽の雄として400年にわたり須賀川地方一帯を支配していた須賀川城主・二階堂家。伊達政宗との戦いで滅ぼされた同家の霊を弔うため、領民らが始めた火祭りが松明あかしの由来とされている。
 毎年11月の第2土曜日、須賀川市の翠ケ丘公園内にある五老山一帯で繰り広げられる。松明の点火に向け、中心市街地のメーンストリート・松明通りでは勇壮な戦国絵巻が再現される。
 高さ約10メートル、重さ約3トンの大松明と、それに添い遂げる姫松明を若衆が威勢よく担ぎ上げ、松明通りを練り歩く。二階堂家とその家臣に扮(ふん)した武者行列、市内の小学生が参加する少年少女武者隊が大松明・姫松明に続き、会場の五老山へと向かう。
 夕刻までに五老山山頂には約30本の巨大な松明が立ち並ぶ。ふもとに設けた特設ステージでは、奥州須賀川松明太鼓保存会が打ち鳴らす力強い太鼓の音が響き渡り、炎と太鼓の競演が繰り広げられる。
 そびえ立つ大松明に点火された後、姫松明、本松明にも次々と火が放たれる。松明はやがて赤々と燃え盛る巨大な火柱となり、山全体が炎に包まれたように晩秋の夜空を焦がす。炎の荘厳さをあらためて感じさせる光景は時を超え、見る人の心をとらえてやまない。
 

福島民友新聞社
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