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【2008.04.13】
夜の森桜のトンネル(富岡町)//先人の理想郷造り起源//
村井良一さん
村井良一さん
後世に伝えたい
  夜の森の桜並木は、富岡町観光協会「桜のとみおか」委員会が中心となって守り続けている。同委員会は1997(平成9)年に結成された。
 「現在、100年前に植えられた桜から恩恵を受け、町の活性化に役立っている。後世には先人の思いとともに、この桜並木を伝えていきたい」と委員長の村井良一さん(56)。委員会は、桜染め教室や桜をテーマにした手紙・桜文(さくらぶみ)大賞、桜案内人養成、植栽などの活動に励んでいる。
夜の森桜のトンネル 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

先人と桜を愛する思いが詰まった桜並木が観光客を出迎えている「桜のトンネル」 常磐道常磐富岡ICから東へ車で3分、JR夜ノ森駅から徒歩3分

  富岡町の国道6号から川内村に向かって延びる1キロの通りと、直角に曲がって富岡二中までの1キロの「L字型」の通りの桜並木。全国有数の桜の名所となっている。
 桜の歴史は、農村開発として南相馬市(旧小高町)から入植した半谷清寿氏から始まる。半谷氏が入植したころは、昼間でも薄暗い原野だったといい、そこから地区名の「夜の森」になったといわれる。半谷氏は1900(明治33)年、開拓記念に300本のソメイヨシノを植樹。「幸せな花園をつくろう」。理想郷づくりは次男の六郎氏に引き継がれ、10年後には1000本が植樹されたという。
 その後も富岡二小、富岡二中の卒業生たちが植樹を続けた。現在では4月上旬から中旬にかけて、夜の森地区には1500本余の桜が咲き乱れる。特に「桜のトンネル」と形容されるL字型の通りは、416本のソメイヨシノが咲き競い、淡いピンク色の花々が大空を優しく包み込む。
 「次代にこのきれいな桜並木を残していきたい」と約10年前から、町を挙げて桜の保護に乗り出している。病害虫に侵された枝を剪定(せんてい)し薬剤を塗って樹木を保護、さらに植樹も行う。先人の植えた桜を町のシンボルとして、世紀を超えて後世に伝える活動が本格化している。
 「夜の森桜まつり」は、毎年4月上旬から中旬にかけ桜並木を中心に繰り広げられる。先人と桜を愛する町民の思いが詰まった桜が観光客を出迎える。
 

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