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【2008.04.15】
馬場桜(大玉村)//千年の年輪重ねた古木//
鈴木浩さん
◆会員全員で守る
  馬場桜保存会長の鈴木浩さん(83)は会員らとともに毎年、草刈りや土の入れ替え、追肥などあらゆる活動をして馬場桜を守ってきた。長年の活動が認められ1990(平成2)年には、日本さくらの会から「さくら功労賞」を受賞。91年には馬場桜の近くにさくら公園も整備した。
 鈴木さんは「1000年の年月には勝てず馬場桜も最近は勢いが衰えてきたが、咲き続ける限り保存会の会員全員で守り続けていく」と力を込める。
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推定樹齢1000年を超える国指定天然記念物の馬場桜。西側駐車場には2世の苗木が植えられている ■JR本宮駅からタクシーで約15分、東北道本宮ICから北西へ車で約20分

  大玉村玉井の住宅地の間の道を進んでいくと、福満虚空蔵尊境内に見えてくる。千年の年輪を重ねた。樹高約15メートル、幹回り約7メートルのエドヒガンザクラは、大玉村のシンボルとして時代を超えて住民に愛されてきた。
 1936(昭和11)年に国の天然記念物に指定された県内でも珍しい推定樹齢千年以上の古木。馬場桜の咲く場所は平安時代末期、後三年の役に出陣した源八幡太郎義家が軍馬の訓練をした馬場跡だったといわれ、義家が手にした桜のむちを土に挿して駒止めしたものが根付いたと伝わることから、別名「駒止め桜」とも呼ばれている。
 古木だが、毎年春には美しい薄紅色の花を咲かせ、最盛期には県内外から多くの観光客が花見に訪れ、周辺には観光バスが列をつくっていた。しかし、86年の干ばつで樹勢が衰退。危機感を持った地元住民らが同時期に馬場桜保存会を結成、周辺の環境整備に努めている。
 近年は再び衰えが目立ち始め、樹木医による樹勢回復作業が行われている。現在では最盛期の勢いはなくなったが春には毎年、花を咲かせ続けている。
 3月4日には馬場桜の子孫を残そうと、枝を採取して茨城県日立市の森林総合研究所林木育種センターで接ぎ木し育成した苗木が馬場桜駐車場に植樹された。近い将来、馬場桜の遺伝子を受け継ぐ桜が花をつけ、新たな名所となる日が来ることが待ち望まれる。
 

福島民友新聞社
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