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【2008.04.16】
三春滝桜(三春町)//ほとばしる薄紅色の”滝”//
柳沼一男さん
◆美しさ国内最高峰
 
 三春滝桜のほかにも桜の名木、花見の名所が多い三春町では関係団体の桜の保護活動が活発だ。ボランティア団体の一つで、町内外から約440人が参加する「三春さくらの会」は約20年前から、滝桜を中心に桜の古木の保全、周辺環境の整備、苗木の育成などに取り組んでいる。
 会長の柳沼一男さん(66)は「三春滝桜の美しさは国内最高峰。町のいたる所で花が咲き誇る日本一の桜の里をつくりたい」と夢を膨らませる。
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日本三大桜の一つで国指定天然記念物の三春滝桜。滝が流れるかのように薄紅色の花が咲き誇る ■磐越道船引三春ICから南西へ車で約15分、郡山東ICから南東へ同約25分

  樹齢1000年以上と推定されるエドヒガン系の紅シダレ桜。1922(大正11)年に国の天然記念物に指定され、淡墨桜(岐阜県)、神代桜(山梨県)と並び「日本三大桜」と称される。
 開花期の4月中旬から下旬にかけては、四方に伸びた太い枝から、薄紅色のかれんな花が一斉に咲き競う。その姿が、まるで滝が流れるかのように見えることから「滝桜」と名付けられたと言い伝えられている。
 西の淡墨桜に対し東の横綱と評される巨木で、樹高は13.5メートル、根回りは11.3メートルに達する。皇居新宮殿正殿の松の間を飾る杉戸絵「桜」(橋本明治画伯)のモデルにもなったとされている。
 子孫の苗木は国内にとどまらず海を渡り、ハンガリー、台湾、ポーランド、オーストリアにも植樹されている。
 多くの人たちの手厚い保護で毎年、見事な花を付けてきたが、2005年1月に大雪などの影響で上部の枝が十数本折れ、一つの転機を迎えることになった。
 国、県、町などの手当てで枝折れの後も変わらず美しい花を咲かせているが、関係者に保護の機運があらためて高まった。その結果、新しい保護活動が進み、06年から滝桜サポーター事業「滝桜協力金」がスタートした。
 桜花爛漫(らんまん)を迎えると、まさに樹木全体を薄紅色の滝がほとばしるかのよう。見る人の心に生涯忘れられない春の風景を刻み、深い感銘を与え続けている。
 

福島民友新聞社
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