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柳沼勝馬さん |
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◆先人の志を継ぐ |
明治の初期に牡丹園を譲り受け、管理・運営してきた柳沼家。園は須賀川市に譲渡されたが、保護、整備に取り組んでいる須賀川牡丹園保勝会の理事長は同家の柳沼勝馬さん(73)が務めている。
「園主より身は芽牡丹の奴かな」と詠んだ祖父源太郎さんら先人の志を受け継ぐ勝馬さんは「ボタンには時代の流れに左右されない美しさがある。江戸時代から受け継がれてきた伝統を後世に伝えていきたい」と力を込める。 |
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国の名勝指定の須賀川牡丹園。290種、7000株のボタンが咲き誇る |
■国道4号大黒町交差点から同118号(牡丹園通り)を東へ車で約10分 |
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新緑の季節の到来とともに、約290種、7000株のボタンの花が色鮮やかに咲き誇る。全国で唯一、国の名勝指定を受けた牡丹(ぼたん)園で、江戸時代、須賀川の薬種商伊藤祐倫がボタンの根を薬用にするため、摂津国(現兵庫県宝塚市)から苗木を持ち帰り栽培したのが始まりとされる。
東京ドームの約3倍の広さを持つ約10ヘクタールの園内には、樹齢200年を超える在来古木をはじめ、紫や黄、白など色とりどりのボタンが植樹され、そのほかにも桜やミズバショウ、菜の花やチューリップなど季節の花を楽しむことができる。
ボタンの花が見ごろを迎える5月には、宵闇に花々がライトアップされる幻想的な風景「夜牡丹」が訪れた人を魅了し、11月には、天寿を全うしたボタンの枯れ木を供養する伝統儀式「牡丹焚火(たきび)」が厳かに行われる。
明治時代、牡丹園を譲り受けた柳沼家が代々、栽培や園内の管理を行ってきたが、1957(昭和32)年、須賀川市へ譲渡。現在は須賀川牡丹園保勝会と市が中心となり、景観の保護や園内の環境整備に当たっている。
PR活動や企画も同会などで担当し、4月からの有料公開開園に合わせて例年、コンサートや日本舞踊、茶会などさまざまな文化交流を行う。
須賀川市は、ボタンの里の中国・洛陽市と友好都市関係を結んでおり、園の入り口には日中友好のシンボル牡丹姫像がたたずんでいる。 |
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