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【2008.04.30】
矢祭山(矢祭町)//四季通し魅力あふれる//
佐藤庄平さん
自然を守る務め
  矢祭町観光協会副会長の佐藤庄平さん(76)は、時代の変遷とともに姿を変えてきた矢祭山を知る一人。「大正時代から地元の人々が集まり、草刈りや手入れに汗を流し景観を守ってきてくれたから今がある」と先人に感謝する。
 「奇岩怪石、ツツジ、久慈川のアユなど、ほかの観光地にはない四季の魅力が詰まった所。自然を守っていくのがわれわれの務め」と、観光地としての環境整備が進む一帯の魅力増に期待する。
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四季を通して魅力あふれる自然が楽しめる矢祭山 ■東北道白河・矢吹ICから国道289号、同118号を南下し車で約1時間

  「東北の耶馬渓(やばけい)」と称され、四季を通して魅力あふれる景観が楽しめる。標高402メートルの矢祭山を中心に、一帯が奥久慈県立自然公園に指定されている。
 公園内には、同山をはじめあゆのつり橋など観光の魅力が凝縮されている。5月は5万本以上の自生山ツツジが山を赤く染め、自然がつくり出す癒やしの空間を満喫しようと多くの見物客が足を運ぶ。
 矢祭山には、「矢祭」の由来となる岩くつがあるとされている。平安中期の1051(永承6)年、源義家が奥州十二年戦争の凱旋(がいせん)の途中、美しい景色を称賛し背負っていた弓矢を同山の岩くつに納めて戦勝報告の祭りを開き、武運の長久を祈ったとされている。
 また夢想滝、月見橋、猿の階山、達磨岩など三勝八景と呼ばれる魅力が詰まった山には、西行法師や水戸光圀、阪正臣、本居豊頴の歌碑が立ち、荒々しい尖(せん)頭状の奇岩怪石が見る人をとりこにする。春には桜、百数十年のツツジが見ごろを迎える。夏の久慈川はアユ釣りが盛んで、秋の紅葉の季節も風情がある。
 大正時代、素晴らしい景観を保存しようと地区住民が動き、町観光協会の前身となる矢祭山保勝会を設立。草刈りや手入れに汗を流し山に愛着を持ったという。
 現在、町観光協会が中心となり地元商店会と協力して、遊歩道整備や公衆トイレ改築など環境整備に力を入れており、地域一体となって自然を見守っている。
 

福島民友新聞社
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