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【2008.05.03】
会津の伝統工芸・民芸(会津若松市)//時代の流れあわせ発展//
鈴木勝健さん
鈴木勝健さん
◆武骨だが温かい
  会津漆器では、日常の生活用品のわんなどの本来の製品と、展示向けの美術品という大きく2つの流れがあり、いずれも作者らが全国レベルの表彰を受けるなど明るい話題がある。また、新たなブランドとして海外にも輸出されるなど新しい取り組みも盛ん。
 会津漆器協同組合理事長の鈴木勝健さん(68)は「会津漆器の魅力は、武骨だが温かみがあるところ。生活の中で使ってほしい。安く、丈夫に、美しくがモットー」と話す。
会津の伝統工芸・民芸 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

観光客の土産品としても人気が高い会津漆器を中心とした伝統工芸品 直売所を兼ねた観光物産協会はJR会津若松駅から大町通りを徒歩約10分

  城下町・会津若松には、伝統工芸品の会津塗の漆器をはじめ、赤べこや会津絵ろうそく、会津木綿などの伝統工芸・民芸品がある。地場産業として会津藩に保護、奨励されながら、先人たちの伝統の技が受け継がれてきた。
 会津を代表する伝統工芸品の会津漆器は、豊臣秀吉の命を受け1590(天正18)年に会津の領主となった蒲生氏郷が産業として奨励した。氏郷は、前の領地だった日野(滋賀県)から塗師や木地師を会津に呼び寄せ、漆器の技術を伝授させた。
 江戸時代には、会津藩の藩祖保科正之が、原料となる漆の木の保護・育成に努め、その後の歴代藩主らも熱心に会津漆器の技術革新などに取り組んだ。製品は中国、オランダなど海外にも輸出され、隆盛期を迎えた。
 しかし、幕末の戊辰戦争により会津漆器は壊滅的な打撃を受ける。その後、戦後の復興とともに会津漆器も復興を遂げ、明治時代中期には再び日本有数の漆器の産地として知られるようになる。以来、時代の流れに伴う消費者のニーズも取り入れながら、伝統の技術を守り続けている。
 このほか、張り子玩具の代表ともいえる赤べこや、ろうそくに美しい絵を描き、夏と冬のまつりも行われている絵ろうそく、伝統の織りがシャツなどにも姿を変えている会津木綿などさまざまな民芸品があり、会津漆器協同組合や会津若松伝統的工芸品連絡会などが、伝統産業の振興に向けた取り組みを進めている。
 

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