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【2008.05.06】
じゃんがら念仏踊り(いわき市)//江戸時代から脈々継承//
石川裕康さん
石川裕康さん
◆未来に残したい
  江戸時代初頭から約400年にわたり、地域全体で脈々と受け継がれてきたじゃんがら念仏踊りだが、最近では少子化などの影響で後継者不足に悩まされている団体も少なくない。
 大会を開くなど保存・継承に当たっているいわき市青年団体連絡協議会長の石川裕康さん(34)は「人材不足の一方で、地元以外でも『参加したい』という人も多い。市民への理解を広めながら、未来に残していきたい」と話す。
じゃんがら念仏踊り 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

江戸時代から庶民の間で受け継がれてきたじゃんがら念仏踊り。8月のお盆の時期に市内各地で披露される 利安寺は常磐道いわき中央ICから北東へ車で15分、JRいわき駅から10分

  8月のお盆のころ、いわき市の各地で小気味よい太鼓と鉦(かね)の音が響き渡る。「じゃんがら念仏踊り」は地区の青年会などが旧盆に、新盆宅を回り仏を供養して家族を慰める同地方を代表する夏の風物詩。
 起源は江戸時代初めの明暦年間、茨城県の「泡斉念仏踊り」にいわきの民謡を取り入れ、独自の念仏踊りにして伝えられたといわれ、小川江筋の開削者沢村勘兵衛勝為の一周忌に同市上平窪の利安寺で踊ったのが始まりとされている。同市四倉町出身の僧侶祐天上人(ゆうてんしょうにん)が、念仏の布教の一環として始めたという説もある。
 各地へ急速に広がると、1670(寛文10)年には、磐城平藩から「大勢で華美にやってはいけない」とのお触れが出された。さらに、明治初期には磐前(いわさき)県が風紀の乱れなどから「禁止令」を発した。こうした影響で一時衰退したものの、明治中ごろに復活すると、主に青年男子が踊るものとなり現在に至っている。
 団体によって編成は異なるが、太鼓を打つ人が3人、肩から下げた鉦をたたく人が10ー15人程度であることが多い。市の無形民俗文化財に指定され、青年会をはじめ学校や地域の子どもじゃんがらなど、100を超える団体で継承されている。
 毎年、同市平の市街地で開かれる青年じゃんがら念仏踊り大会には、市内外から大勢の見物客が詰め掛け、盛り上がりを見せる。
 

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