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【2008.05.09】
桧枝岐歌舞伎(桧枝岐村)//260年以上続く伝統芸能//
星利弘さん
星利弘さん
精進し芸を磨く
  260年以上の伝統を守り続けている千葉之家花駒座。現在の座員は村職員や主婦、小中学生ら32人で全員が村民。故郷と桧枝岐歌舞伎を愛する共通の思いで強く結束、貴い文化遺産の継承のために、寸暇を割いてけいこに励んでいる。
 第9代座長の星利弘さん(63)は「座員一人一人が伝統をしっかりと受け止め、上も下もない家族的な雰囲気の中で互いに芸を磨いている。伝統の光を消さないよう今後とも精進していく」と話す。
桧枝岐歌舞伎 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

華やかさの中に素朴さを秘めた桧枝岐歌舞伎。毎回、全国から1000人を超える観客を集める 村は会津線会津高原尾瀬口駅から車で約1時間。舞台は村役場から徒歩約5分

  周囲を2000メートル級の山に囲まれた静かな山里で、親から子、子から孫へ連綿と受け継がれてきた桧枝岐村の伝統芸能。村民でつくる千葉之家花駒座が毎年5月12日の愛宕神祭礼、8月18日の鎮守神祭礼で奉納している。
 桧枝岐歌舞伎の起こりについて明確な記録は残っていないが、江戸時代に伊勢神宮を参拝した村の祖先が江戸でひのき舞台の歌舞伎を観劇、見よう見まねで再現したのが始まりと言い伝えられている。現存する資料の中に1743(寛保3)年に購入された浄瑠璃本があることから、260年以上の歴史があると推定されている。
 千葉之家花駒座は「奥州安達ケ原 文治館の段」「玉藻の前旭の袂 道春館の段」など11演目を持ち毎年、違う演目を上演する。春夏の祭礼奉納など年3回の舞台には毎回、1000人以上の観光客を集める。その演技は専門家からの評価も高く、2004(平成16)年には東京・国立劇場で地方の地芝居としては異例の単独公演を果たしている。
 歌舞伎の舞台となる「桧枝岐の舞台」は国指定有形民俗文化財。かやぶき屋根の趣深いたたずまいは明治中期ごろの建築といわれ、村民や観光客から「舞殿(まいでん)」の愛称で親しまれている。
 1999(平成11)年、県重要無形民俗文化財に指定。千葉之家花駒座は同年、福島民友新聞社が県民の栄誉となる功績のあった個人・団体を顕彰する「第10回みんゆう県民大賞」を受賞した。
 

福島民友新聞社
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