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高橋ハナ子さん |
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◆地元にとって宝 |
毎年、ひめさゆり祭りのメーンイベントでひめさゆり踊りを披露する「熱塩加納町ひめさゆり民舞保存会」は20年にわたり活動を続けてきた。地元出身の後藤雪山さんが作詞作曲した「会津花歌」や「熱塩加納村さゆり米唄」に合わせて華麗な踊りを繰り広げる。
同会長の高橋ハナ子さん(76)は「ヒメサユリは地元にとって宝。祭りに来る大勢の来場者が花だけでなく踊りも楽しみにしてくれる。祭りが続く限り踊りたい」と話した。 |
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薄紅色の花々が咲き乱れる群生地。毎年見ごろを迎える時期にひめさゆり祭りが開かれ、大勢の来場者でにぎわう |
■磐越道会津若松ICから北へ約1時間。バスはJR喜多方駅から塩ノ沢で下車 |
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毎年5月下旬から6月上旬にかけて、喜多方市熱塩加納町宮川地区の標高約400メートルに位置する群生地に薄紅色の花々を見せる。山の斜面に咲き乱れ、眼下には会津盆地の田園風景と磐梯山を望む。訪れた人たちは、自然の雄大さを堪能することができる。
ヒメサユリは本県や新潟、山形が接する朝日・飯豊山系など限られた場所にしか分布しない貴重な植物。本県のレッドデータブック準絶滅危惧(きぐ)種、環境省の準絶滅危惧NT(生息条件の変化によっては絶滅危惧に移行する可能性)に指定されている。たばこに弱く、群生地内の遊歩道での喫煙は厳禁。
秋に種がこぼれ翌々年に葉が発露、開花までは5年を要する。地元の旧熱塩加納村では、約30年前に群生地でヒメサユリの保護活動を開始。現在は約3ヘクタールに30万本が自生している。
ユリの中で一番早く咲くために「早百合」と称され、うつむき加減に咲く乙女のような姿から「乙女ゆり」とも呼ばれている。合併により喜多方市の花に選ばれた。花は通常、薄紅色だが、突然変異によって純白の花をつけることがある。
1984(昭和59)年から毎年、見ごろを迎える6月に「ひめさゆり祭り」が開催される。同地区の「ひめさゆりの丘」などで、踊りやひめさゆり賛歌の発表会、地元特産品の販売会など多彩なイベントが繰り広げられる。今年は6月1日から15日までの日程で開かれる。 |
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