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【2008.05.14】
会津の酒蔵群(会津若松市)//伝統の酒造りを支える//
新城猪之吉さん
新城猪之吉さん
◆「宝」守り続けたい
  近年、地域住民や観光客らに開放している酒蔵も多い。末廣酒造の「嘉永蔵」(会津若松市日新町)は、酒蔵の2階をイベントホールに改造、コンサートや展示会、講演会、映画の上映などに活用している。
 会津若松酒造組合理事長を務める末廣酒造社長の新城猪之吉さん(57)は「酒蔵は私にとっても会津にとっても『宝』と言っていい。建物の維持は大変だが、先人の知恵をしっかりと守り続けたい」と話す。
会津の酒蔵群 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

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酒蔵には先人たちの智恵が込められている(写真は嘉永蔵) 嘉永蔵はJR七日町駅から徒歩10分、磐越道会津若松ICから南東へ車で15分

  会津といえば清酒。水が豊富で内陸性気候という特有の風土と環境は、酒造りに最も適しているといわれる。良質な水と肥よくな土地は、良質な米を育てる。
 会津若松の酒造りは、1590(天正18)年に会津の領主となった蒲生氏郷の時代、漆器とともに地場産業として奨励された。本格的な酒造りは、会津藩家老田中玄宰によって始められ、領外へも出荷された。
 現在も会津地方には数多くの蔵元があり、良質の水と米を使い、先人の技を受け継ぎながら酒造りに励んでいる。本県の清酒は、全国新酒鑑評会で金賞受賞日本一となるなど高い評価を得ている。
 伝統の酒造りを支え続けてきたのが、蔵元の酒蔵。酒蔵は、繊細な配慮が必要な酒造りをする場所。温度管理に対応しながら、アルコールを扱うため燃えない構造となっていることなども大きな特徴。先人たちの知恵が結集された建築物といえる。
 喜多方は「蔵のまち」として知られるが、関係者によると会津若松も蔵の数では負けていないという。ただ、蔵が通りから奥まったところにあるため、喜多方より目立たないのが実情のよう。
 古くからの酒蔵を保存することは容易ではないが、修復を重ねてコンサートや講演会の会場として市民に開放したり、実際に酒造りをしている蔵を観光客らに公開しているところもある。酒蔵などの歴史的建造物をいかに保存するかが課題となっている。
 

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