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【2008.05.16】
岩瀬牧場(鏡石町)//唱歌「牧場の朝」の題材//
面川芳男さん
面川芳男さん
歴史や伝統後世に
  岩瀬牧場の販売管理営業部長の面川芳男さん(56)は同牧場で働き始めて24年。このうち10年以上を一般客に牧場の魅力や伝統を伝える案内人として過ごしてきた。
 牧場では今年から、場内で有機栽培した野菜や果物の大規模な販売も計画しており、「広々として動物と触れ合いながらのんびりできるのが岩瀬牧場の魅力。歴史や伝統を後世に伝えるとともに、新たな事業にも挑戦していきたい」と笑顔を見せる。
岩瀬牧場 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

130年の歴史を有する岩瀬牧場。行楽シーズンには大勢の家族連れでにぎわう 国道4号不時沼交差点を東へ車で約10分、JR鏡石駅から同約5分

  約30ヘクタールの広大な敷地に、牧場や農場、乗馬体験場などさまざまなレジャー施設を備える鏡石町の観光シンボル。明治期には、有名な文部省唱歌「牧場の朝」のモデルにもなった。
 園内には牛約20頭、競走馬6頭、クジャクやフラミンゴなどさまざまな動物が暮らす。このほか、4000株のシャクヤクが咲き誇るフラワーガーデンやバーベキューハウス、パターゴルフ場などの施設も整い、行楽シーズンには大勢の家族連れでにぎわう。
 創設は現在から約130年前の1880(明治13)年。国内初の国営牧場として誕生したが、間もなく民間に払い下げられた。現在の岩瀬牧場の礎を築いたのは、旧岸和田藩主の子爵岡部長職。1907年、オランダからのホルスタイン輸入第1号となる13頭の牛を輸入、乳産品製造業の基盤を確立した。また、この際にオランダから送られた「鐘」は、後に「牧場の朝」のモデルとなった。
 「牧場の朝」の作詞者杉村楚人冠は10年、知人に招かれ岩瀬牧場を訪れた。その際、朝霧の中に鳴り響く牧場の鐘の音に感銘を受け「鐘が鳴る鳴るかんかんと」と詩情を詠んだという。
 この「鐘」は、現在も同町の指定文化財として牧場北西部の歴史資料館に展示され、当時の面影を今に伝える。同館にはこのほか、明治期から現在までの写真や地図など貴重な資料があり、牧場が歩んできた歴史をうかがうことができる。
 

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