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【2008.05.17】
空也念仏踊り(会津若松市)//会津地方の夏の風物詩//
棚木満吉さん
棚木満吉さん
当時の姿を忠実に
  空也念仏踊りの奉納と継承を担っているのは、冬木沢の有志でつくる空也光陵会。10代目会長を務める棚木満吉さん(61)は「念仏をとなえ、円を描きながら跳びはねたりする珍しい踊り」と魅力を語る。
 継承面では、念仏をとなえる際の音程や動作など大正時代に伝わった当時のままの姿を忠実に伝えている。棚木さんは「先輩から受け継いだ大切な文化。途絶えることなく伝えていきたい」と話す。
空也念仏踊り 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

念仏をとなえながら踊りを奉納する空也光陵会 磐越道磐梯河東ICから西へ車で約15分、JR広田駅から北へ徒歩約20分

  会津若松市河東町冬木沢の八葉寺に伝わる県指定重要無形民俗文化財。墨染めの衣をまとった地元の有志が、鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らし、「南無阿弥陀仏(なもうだ)」と独特の発音で念仏をとなえて祖先の供養、極楽往生を願う。同寺の祭礼期間中でお盆を間近に控えた8月5日午前10時から、同寺を舞台に行われる会津地方の真夏の風物詩。
 同寺の伝承によると、空也念仏踊りは、平安時代の浄土教の僧空也が創始者。当時、無縁仏を供養するため全国を巡っていた空也は、訪れた土地で極楽浄土を願い踊った。空也が去った後も、現地の住民らが再現することでそれぞれの地域に根付いていった。
 同寺は空也が亡くなった場所とされ、かつては盛んに念仏踊りが行われていた。しかし、1589(天正17)年の伊達政宗の会津侵攻で同寺が焼かれてからは、次第に衰退していったという。
 再興したのは1922(大正11)年。関東の空也念仏踊りの継承団体が同寺を参拝した際、冬木沢の僧らに動作、節回しなどを伝授した。以来、冬木沢では「地元が誇る大切な文化」として、次世代に脈々と受け継いでいる。
 かつては全国に広がった空也念仏踊りも、現在は後継者不足などにより、冬木沢、京都など数カ所に残るのみ。数少ない継承の地・冬木沢。踊りを仏にささげる8月5日には毎年、県内外から1000人を超える観光客らが同寺を訪れ、伝統文化の息吹を感じている。
 

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