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【2008.5.20】
照島とウの生息地(いわき市)//断がい絶壁の小さな島//
小野金次郎さん
小野金次郎さん
シンボル守ろう
  照島に生息するウミウの観察を15年以上にわたり続ける日本野鳥の会いわき支部は、小名浜オーシャンホテル&ゴルフクラブとウミウ観察に関する協定書を結んでいる。協定書は「誰でも自由に観察できる」という条件のもと締結された。
 支部長の小野金次郎さん(73)は「ウが生息する照島はいわきのシンボル。島が崩れていくのを止める方策を考えることが必要。自然環境をこれ以上壊さないことを考えてほしい」と話す。
照島とウの生息地 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

ウミウとヒメウが飛来する照島。島の周辺海域はウたちにとって良い漁場となっている 観察地までアクアマリンから南西へ車で約10分、JR常磐線泉駅から同約15分

  岸から数100メートル離れた海上に位置する断がい絶壁の小さな無人の島。以前は陸地とつながっていた。高さは約31メートル。凝灰岩でできており、風雨や波による浸食の影響で島の大きさや形が変わってきている。
 ウは、太平洋北部沿岸や北海道沿岸などの岩棚などで繁殖、冬には本州南西部に移る。照島には毎年10月ごろに飛来、翌年3月ごろまで越冬する。1945(昭和20)年2月22日、照島に生息するウが国の天然記念物に指定された。
 天然記念物に指定された当時、島の頂上部には木々が生い茂っていたが、現在はほとんどなくなっている状態。島に飛来するのはウミウとヒメウ。ウミウは島の上方部、ヒメウは下方部に生息してすみ分けている。
 絶壁の島にウが生息する理由には、周辺の環境が関係している。ウが餌とする魚や貝などの海産物が、照島の周辺海域に豊富ということが挙げられる。島自体の環境が良くても、餌がなければ生息できない。島周辺の海域は、ウにとって良い漁場となっている。さらに、孤島であることから、外敵に襲われにくいことも生息する上で重要なポイントとなっている。
 毎年12月、照島を見渡すことができる小名浜オーシャンホテル&ゴルフクラブやいわきサンマリーナなどで、ウミウの観察会を開いている日本野鳥の会いわき支部によると、ウミウは年々減少傾向にある。
 

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