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【2008.05.21】
一字蓮台法華経開結共・龍興寺(会津美里町)//平安時代から受け継ぐ//
筧光海さん
筧光海さん
◆美しい川 次世代に
  龍興寺57代目住職の筧光海さん(72)は、地域や檀家(だんか)らとともに、龍興寺と国宝を守り続けてきた。
 ハスの花が咲き誇る蓮池華芳園も整備したほか、般若心経264文字を写経する蓮台写経会を開催、地域とのつながりを密にしている。
 筧さんは「宗教的、美術的に素晴らしく、天台宗の根本を著した写経。福島遺産百選の認定も含め、周囲の協力があってこそ大事に守り続けることができる」と語る。
一字蓮台法華経開結共・龍興寺 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

平安時代から受け継がれる一字蓮台法華経開結共。美術的、宗教的に価値が高い JR会津高田駅から徒歩約15分、新鶴スマートICを利用すれば車で約15分

  会津美里町高田地区の一角にたたずむ龍興寺は、開山以来1160年にわたり再興や復興を重ねてきた。現在の本堂は比叡山開創1200年を記念して1987(昭和62)年に落成した。
 敷地内の蓮池華芳園には毎年夏、20種類以上のハスが咲き誇り各地から大勢の観光客が訪れる。
 同寺は、天台宗第三祖の慈覚大師円仁が848(嘉祥元)年に創設したとされる。
 円仁が1字書くごとに3礼を伴う「一字三礼」という敬虔(けいけん)な行法で法華経を写したことにちなんで、平安時代後期に30人の大衆によって一字蓮台法華経開結共が作成された。作者は不明だが、中には女性が書いたとみられるものもあり、信仰の深さがしのばれる。
 経文6万9384字の一字一字を仏と見立て、淡彩のハスの台座に乗せるように写経されている。全長9メートルほどの貴重な斐紙(ひし)に銀罫(ぎんけい)を引いた一行17字詰めの体裁をとっている。ハスの台座は群青、丹、緑青、銀泥、泥、金泥と色鮮やかに彩色され、経文字は優雅な和様の細楷で丁寧に墨書されている装飾経。
 当初は1章から28章、開経、結経の計30巻で構成されていたが、後に10巻に編さんされた。戦争や火災など数々の災難を乗り越えたが、第6巻だけが欠け、現存するのは9巻となっている。
 拝観の際は予約が必要で、管理の面から雨天時は不可能の場合もある。
 

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