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【2008.06.13】
駒止湿原(南会津町、昭和村)//多様な高山植物の宝庫//
君島満三さん
◆貴重な自然後世に
  南会津町、昭和村などで構成する駒止湿原保護協議会の認定ガイド「駒止湿原案内の会」は、駒止湿原を愛する両町村住民でつくるボランティア組織。入山者に湿原の草花を紹介しながら観察マナーも指導、湿原保護の推進に努めている。
 同会の君島満三さん(69)は「数多くの高山植物が咲き乱れる湿原の価値を、より多くの人に知ってほしい。貴重な自然遺産を後世に残すために、楽しみながら活動している」と話す。
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10数カ所の湿原群からなり、多種多様な高山植物が自生している駒止湿原 ■南会津町側入り口までは会津田島駅から国道289号を経由し西へ車で約30分

  標高1100メートルで、南会津町と昭和村の境界に位置する。大谷地、白樺谷地、水無谷地を中心とする10数カ所の湿原群からなり、周囲はブナ林で覆われている。低層湿原から高層湿原までの発達段階にある植生が随所に見られるなど学術的価値が高く、1970(昭和45)年、国の天然記念物に指定された。
 湿原には、春から秋にかけて多種多様な高山植物が咲き誇る。春の残雪に顔を出すミズバショウに始まり、初夏にはワタスゲの穂が湿原を白く染める。夏はニッコウキスゲが色鮮やかに咲き乱れ、秋は金色の草紅葉が一面に広がる。ミズバショウの中には包が2つある珍しい種も自生しており、地元では「ソウホウ(双包)ミズバショウ」と呼んでいる。
 南会津町側にある駐車場から徒歩約10分で湿原に入ることができ、湿原内に散策用の木道が敷かれている。気軽に自然観察を楽しめる湿原として、県外からの入山者も年々増加している。
 湿原には戦後間もなく、国の食料増産体制下で開拓農家が入植し、ブナ林を切り開いた農地は98年ごろまで使われていた。農地の水が湿原に流れ込むなど植生に与える影響が懸念され、保護の大きな問題となっていた。
 農業振興と湿原保護の対立は10数年にわたり続いたが、旧田島町と昭和村が2000年までに開墾農地のすべてを公有化。その大部分が天然記念物の追加指定を受け、湿原の保護が大きく前進した。
 

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