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【2008.06.17】
旧南会津郡役所(南会津町)//洋風建築の特徴 随所に//
小椋宏夫さん
交流の場で活躍
  旧南会津郡役所は現在、南会津町からの委託で地元の西町行政区が管理。館内に歴史資料を展示しているほか、語り部による民話語りなどのイベントも開くなど観光施設や住民交流の場として活用している。
 西町区委員でボランティアグループ「まちの案内人」代表の小椋宏夫さん(62)は「田島は昭和前期の2度の大火で、大正以前の建物を失った。築120年以上の旧郡役所は貴重で町の宝として大切に保存したい」と話す。
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明治時代、南会津郡の行政をつかさどった旧南会津郡役所 ■会津鉄道会津田島駅から南西へ徒歩約10分。県南会津合同庁舎の敷地内

  南会津町中心部を見下ろす愛宕山のふもとに趣深くたたずむ擬洋風建築様式の建物。正面にヨーロッパ風の円柱ベランダを有するなど、明治初期の洋風建築の特徴が随所に見られる。1971(昭和46)年に県重要文化財に指定された。
 明治政府の郡制施行に伴い1879(明治12)年、広大な会津郡が南北に分割され南会津郡が誕生。県は藩制時代の代官陣屋を郡役所に充てたが、建物は老朽化していた。
 南会津と会津若松が馬車道によって結ばれた会津三方道路の開通で、新時代を迎えた南会津郡にふさわしい庁舎建設の機運が高まり、1885年、今に残る南会津郡役所が建てられた。
 資料によると、建設費は7700円。このうち県費は3000円で、残りの4700円を郡民の寄付で賄ったとされ、南会津郡の発展に向けた郡民の気概を示すエピソードとして伝えられている。
 郡役所は、郡制廃止後も県の南会津支庁、地方事務所として使われ、南会津地方の行政で中心的に機能した。1970年、田島合同庁舎(現南会津)が新築されたことで使命を終えた。
 旧郡役所の位置へ建て替えにより田島合同庁舎の建設が計画され、旧郡役所は取り壊しの危機にさらされたが、地域住民らの熱心な要望が実り保存が決まった。建物を解体せずに元の位置から数十メートル引家(ひきや)で移動させ、合同庁舎西隣にその姿をとどめた。
 

福島民友新聞社
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